2016年5月20日金曜日

自信の度合いと責任感

安倍総理もお若い時にはお勉強があまりお好きではなかったと見えて、当時東大生であった平沢勝栄氏(自民党衆議院議員)が家庭教師であったのは有名なことだ。勉強が嫌いだったのは同じだから、勉強嫌いを声高に非難はできない。しかし総理はどこかの時点で一念発起され、猛勉強でもされたのだろう。今や日本国総理大臣である。一方こちらはお決まりのパターンで、社会に無用の存在となった。その差異に対しては予め敬意を表しておこう。

総理大臣ともなれば、個人的に欲しいものは殆ど手にすることが出来ることも想像に難くない。家庭教師だって現役東大生どころではなく、世界的な学者を招聘するのもどうと言うことは無く簡単なことだろう。現在日本は世界的にも経済大国なので、国家の経済運営が日本国民のみならず世界経済に大きな影響を与えるそうだ。世界経済なんかどうでもいいじゃないか、日本国民の暮らしぶりを良くしてくれ、と手前勝手なことを言ってはいけない。先進国としての矜持を保ちなさいと言ったところだろう。

たまたま今年はG7サミットの主催国にもなったことから、総理はこの3月から再び猛勉強を始めた。それが些か仰々しいが「国際金融経済分析会合」の開催である。総理の時間をいくら使っても構わぬが、税金をいくら使うかを気にするのが正に下司の考えだ。昨日までに世界的な経済学者とされる方を官邸に招聘して、都合7回もの会議が開かれている。税金を使ってのお勉強会だから、舛添都知事ではないがルールに則っているのだろう、内容が詳しく下記ホームページ公開されている。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokusaikinyu/

暇に任せて拝見して思った。経済学の世界的権威かどうかは知らん。しかし、こんなことに膨大な時間(や費用)をかけて今更聞かなきゃ経済政策の方向性が見つからぬとは一体なんだ!学者なんか好き勝手なことを言うものと相場が決まっているのだから、大勢から聞けば聞くほど頭が混乱してくるだけだろう。
嘗てお気に入りの学者から吹き込まれて、アベノミクスを打ち出し、目下自信をもって遂行中ではないか。いくらお勉強が好きとは言え、今更外国から家庭教師を招聘するようなみっともない真似はやめてくれ。世界中から物笑いにされる。

たまたま昨夜のテレビを見ていたらドイツ蔵相(財務相)の言葉が紹介されていた。「私は他国の経済政策に干渉するつもりはないし、他国から我が国の政策について干渉されたくない。」これまた如何なる趣旨の会議か凡俗には理解しかねるが、目下仙台で「G7財務相・中央銀行総裁会議」が開催されている。ここに出席しているドイツのショイブレ財務相と言うお方、車いすを使用してかなりのご高齢に見える。仰ることからご自身のおつむの中身ついての自信が嫌なほど伝わってくるではないか。ドイツの経済政策についての評価なんか全くできないが、安倍総理にも国民や世界から馬鹿にされないために、嘘でもいいからこんな姿勢を示してもらいたい。

自信無き者に「責任を持て」と言っても、所詮は無理かもしれぬ。なんだか侘しい話だ。

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