2016年4月7日木曜日

学生生活今昔

昨日は快晴だったが、今日は生憎の天気になってしまった。近所の小中学校の新学期が始まったようだ。今まで見かけなかった顔が目につくが、皆緊張の面持ちが初々しい。多分秘かに期すところもあるだろう。大学の入学式はもう数日遅れるだろうが、昨夜NHKのニュースを観て少し考えさせられた。内閣府の統計だったかと思うが、現在一人暮らしの学生への親からの仕送り額は月額8万6700円が平均とのこと。学生の所在地が首都圏だったか全国であったか聞き漏らしたのでアバウトな話ではある。

子供を大学に進学させたい親は多いだろうが、親元から離れたところに送り出すには年間100万円程度の仕送りが必要ということになる。現在のサラリーマンの給料を思うと700万円か800万円程度(地方ではこんなに高給取るのは難しいのかな?)の収入から100万円を仕送りするのは容易ではないだろう。一方受け取る学生の方はもっと大変かもしれない。昨日のニュースでは確か東京在住の学生のことかと思ったが、学生の1日当たりの生活費は平均850円(月額2万5500円)となっているらしい。

親からの仕送りが8万6千円で生活費が2万5千円とすると残りが家賃ということか?しっかり聴いていなかったのでいい加減だが、生活費が食費の聞き違いだったにしても非現実的な数字だ。数人の学生のインタビューがあったが、親からの仕送りの多い人で10万円くらいからゼロまで、家賃が4万円ほどの学生の他に、出身県が東京に設けた寮生活者がいた。また全員がアルバイトをしていた。そりゃ当然そうなるだろう。今どきは親も大変だが子供の学生も容易ではない。保育園問題も大事かもしれぬが、学生の奨学金問題や大学授業料問題も相当な社会問題だろう。

このニュースを聴いて50数年前の大学入学時を思い出した。昭和34年(1959年)春のことだ。慶応大学に入学した当時のことは何度か書いているが、当時の仕送りは月に1万円。その金額について父からこう言われたものだ。「私たち(両親)は例え塩を舐めてもこの仕送りは欠かさない。実際に住む場所と学校についても事前に調査をしてきた結果、これだけあれば十分生活ができるはずだ。従って絶対にアルバイトだけはしてはいけない。アルバイトとは親が十分仕送りできない不幸な環境にある学生のためのものだ。お前は勉強に精を出しなさい。」

父は新宿のアパートから学校までの電車賃や、住居近辺の床屋から風呂屋の料金、駅売店の食品料金から学食のメニュー等々事細かに積算して、月に1万円あれば生活可能と説明してくれた。その時は「へぇ、そんなものか」と聞いていたが、実際上京したのが今上陛下のご成婚日4月の10日。その夜同居する兄と連れ立って新宿に飲みに出かけて、2重の祝いと称して500円か千円近く消費してしまい、再び親不孝が始まった。

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