2016年4月19日火曜日

熊本地震報道

熊本県上益城郡益城町在住の知人がいる。知人というより友人または山友と言うべきであろう。平成25年8月初めだから早いものでもう先一昨年のことになってしまった。南アルプス山中の深い山で偶然に知り合い、長い縦走の果てで難儀していたところを助けてもらって、聖岳という難しい山歩きをサポートしてもらった。その後、秋になって同じ南アルプスの鳳凰三山の縦走にも同行してくれた恩人でもある。

地震災害は地域にいる人全員に例外なく被害が及ぶのは当たり前のことだ、従って先週木曜以来報道で、益城町の被害が甚大との報道に接する度に彼のことが気になっていた。彼は今65歳くらいだったろうか。元自衛隊員でレンジャー部隊に所属した経験を持つ人だから少々のことにはびっくりしないだろうが、今度の相手は自然である。びっくりしなくても、戦って勝てる相手ではない。運の良し悪しによっては間違いが起きないとは限らない。

昨日通じるかどうか分からないまま携帯にメールをしてみた。いつもだとすぐ返信が来るのだが1時間以上経っても返事が来ない。やはり彼の端末なり電波事情が平常でなさそうだと諦めていたら、2時間半後くらいに返信が来たので、取りあえずの無事が確認できてほっとした思いだ。その返信にはこう書いてある。「何とか無事です。未だ余震が凄く車の中で生活しています。頑張ります。」さすがの彼でさえ、地震については恐ろしさを感じた様子が何となく伝わってくる。彼自身は1か月以上車を駆って山歩きをするくらいだから慣れてはいても、ご家族は大変だろう。できるだけ早く平常の生活に戻られることを祈ってやまない。

昨夜のテレビ朝日「報道ステーション」によると、独自の調査結果で避難箇所が670数か所に及んでいるそうだ。半数以上が自治体指定外の自主避難箇所とのこと。この報道は秀逸だったと思う。当然ながら自主避難場所に対する公的サポートは手が回りにくくなる。自衛隊員も苦労されてはいるが、命令で動かざるを得ないので、ある避難場所に物資を届けたところ、受け手の責任者が「ここでそれは間に合っているので、よそに回してくれ。」と言ったが自衛隊員は町内会長さん程度の人からの指示では動けない。

これまた当然のことで、結局その町内会長さんがその荷物を他に届けることになった。これも同じ番組での放送で紹介されていた。他にもボランティア活動のこととか、永田町の政府が一丸となっても分からないことが沢山ありそうだ。天変地異に際しても己の保身に目が眩み、天災の政治利用すら考える恐るべき政権と、それに尻尾を振るNHK。彼らと比較すると今回はテレビ朝日に「天晴れ」を挙げよう。

2 件のコメント:

ふかさん さんのコメント...

爺さん

テレビ朝日の当該の報道は目にしませんでしたが、地震発生以降NHKと民放の報道姿勢の差に驚いています。これ迄この手のニュースはNHKとばかり思っておりましたが、今回同じ画面ををだらだらと流す、時間の経過に関係なく、遡った映像を何度も観せる…etc、こんなチャンネルだったのかと唖然としております。それに比べ民放各社は、テーマの選び方、ヘリを使った生映像を流すなど、工夫を凝らした姿勢に大いに感心しながら観ておりました。

senkawa爺 さんのコメント...

ふかさん さん

同感のコメント頂きありがとうございます。
昨夜もNHK夜8時台になんかサリーマンの美味しい昼飯の特集を放送していたようです。
詳しくは観ませんでしたが、「食事も満足に食べられない人が多数出ている時に、なんと非常識なことよ」と連れ合いが怒っていました。