2016年3月14日月曜日

粗雑な思考

先週の報道は5年前の東北大震災と福島原発事故のオンパレードだった。テレビの映像で復旧と復興の遅々として進まぬ現状を見るにつけ、我が国の政治と行政の意思決定システムのどこかに大きな欠陥があるように思えてならない。一方先週の初めにはこんな報もあった。「<自民党>大震災初動対応の検証する組織 党内に設置へ」とのタイトルだ。

先日原発事故の国会事故調黒川委員長の思いを読んでいただけに、とてつもない違和感を覚えた。莫大な国費を投じて調査してもらった大事な報告を一顧だにすることなく、自民党内だけで、改めて地震や津波までを包含する検証をどのようにしようと言うのだろう?しかもご丁寧に「初動対応」とのことだから、当時野党の自公は外野席にいたので、観客の立場からプレーヤーのご粗末ぶりをてんこ盛りでやっつけようとの魂胆が丸見えではないか。

聞くだけで恥かしくなるような言動は現政権の十八番にしても、ちと冗談が過ぎるだろう。せめて国会内に設置することを野党にも働きかけたぐらいにしておけば、反自公の市民も反対は出来ぬだろうに。そうかと思えば政権が急ぐ原発再稼働では、運転を開始したその日に緊急停止する始末だ。再稼働は関西電力の問題で、政府と関係ないとしらばっくれるだろうが、何となく意図することとなすことが何処か間が抜けていると思わざるをを得ない。

天皇陛下を引き合いに出すのは実に畏れ多いが、陛下には総理官邸ほど多くのスタッフが付き添っている筈もないだろう。従って陛下の情報源は我々下々と大差ないのではと推測させて頂く。陛下は今週また福島や宮城に行幸されるとの報道がある。いつも思うのは、陛下が折に触れて発せられるメッセージが悉く心に響くことである。総理は自分が発する言葉の空虚さには当然気が付いていまい。

当然一定の年齢に達した大人は、どうしても若い頃からの勉強の積み重ねが言葉に出てしまうし、表情にも出るものらしい。今更自国の総理をくさしてどうにもならぬが、自民党には総理に学ぶべきことを指導する長老がいないようだし、お友達同士でもいいから、総理に思考すべき事柄と発言についての勉強会でもして貰いたい。

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