2016年2月2日火曜日

日本人論

欧米には己のルーツを探ることに熱心な人が多いと聞く。日本にもたまに先祖は源氏とか平家とかルーツを誇る人もいるが、それを聞いている方は「だからどうした」と、比較的冷淡なようで、むしろ日本人の特徴は、「日本人とは」なるテーマを振りかざすことが好きなようで、小生もその例に洩れない。日本人の場合ルーツを辿れば、殆ど全員が僅か2000年で伊邪那美・伊邪那岐の2神になってしまうのでは面白くないのだろう。

日本人が日本人論を弁ずるのは世界でも珍しいらしい傾向らしい。外国事情には疎いが、アメリカやカナダで、「アメリカ人とは」とか「カナダ人とは」と自問するような作家や識者は少ないようでもある。確かに、数千万人とまで行かずに数百万人でもいいが、国民なる集団を○○人と一括りのしようと言う方が無理かもしれぬ。しかし日本では、小生もそうだったが、日本人は先ず単一民族との思い込みがあった。

最近はお相撲さんの例ではないが、帰化した外国人も増えているし、西洋人や黒人のような顔つき肌の色でありながら、日本語しか話せないスポーツ選手や芸能人も増えている。勿論逆もまた真なりで、外見は全く日本人でも日本語が話せないスポーツ選手もいる。社会に出てから徐々に二重国籍の人が大分いることに気が付き始めてはいたが、最近テレビで目の当たりにする世相から、やっと日本人=単一民族が間違った刷り込みであったことに思い至った。

異民族間の混血は何も昨日や今日に始まったことではないだろう。時代によって多少の差はあっても、何千年もの間延々と繰り返されてきている。1億2千万人強の国民が僅か2千年前には、たった2人(神?)の男女で、異民族の血統が入っていないと素直に信じ込んでいた自分は可愛いものだ。これからは「日本人とは」に興味を抱くのもいいが、もっと違う角度から日本社会を見て行きたい。

これから本論を書こうと思ったが、前振りが冗長になったので日を改める。こんなことを書く気になったのは、安倍内閣の支持率が先週末に上昇しているとの報道に接したことにある。

0 件のコメント: