2016年1月27日水曜日

卑怯者がのさばっては困る

「他人の不幸は蜜の味」の喩えは知っているが、テレビニュースで連日スキーバス事故で亡くなられた方の葬儀が報道されるのは如何なものだろう。この例に限らないが、なにか不幸な事故で亡くなった若い人については、テレビ局が葬儀まで執拗に追いかけ、参列者のコメントを取るのが常態化している。そしてそのコメントも「良い人でしたのに・・・」と相場がきまったようなものだ。安倍政権になってからのNHKのニュース番組が下らなくなっているのは言うまでもないが、民放までが真似をする必要はないと思うので、各局の報道担当はもっと勉強して、今何を報道すべきかを己の頭で考えてほしいものだ。

昨今イジメで自殺する子供が多いが、毎回似たような報道をするかさせられるか知らぬが、報道部員は何を考えているのだろう。いじめた子等が逮捕されて少年院に送られても何の解決にもならない。校長が謝罪会見をし、教育委員会が第3者委員会を起ち上げて原因を探って対策を考え、それを以て2度と不幸な事故を起こさないようにする。この台詞を何度聞いたことやらである。第3者委員会は最近流行であちこちで聞くが、これを設置する人間の責任逃れが見え見えで、任命された委員は顔が全く見えないから無責任であるのは自明である。

民放も社会の木鐸としての矜持があるならば、日本の文部行政の根本を問うような番組でも作ってみたらどうだろう。修身とか道徳が学校教育に無かった時代に育ったので現状は分からないが、朋友と仲良くすること助け合うことを学校ではどのように教育しているのだろうか?先日読んだ藤原正彦氏の本に書いてあったことだが、現代教育には「卑怯」を忌避する教育が不足しているのではないかとのこと。確かに現代社会は卑怯な奴らが横行しているようにも思う。学校でどのくらい教育されたか記憶には無いが、確かに幼少の頃から「卑怯」であることは恥ずべきだと教えられてきたように思う。

「乱暴はいけない」と教えることも大切かも知れぬが、乱暴者が出現しないようにするのは難しい。それよりも、生徒全員に「卑怯」であることを恥とする考えを共有させる方が易しい筈で効果も大きいのでは、と藤原氏は言う。読んで成程と思った。確かに最近は勝った者勝ち、勝ちさえすればいいのだとばかり、かなりの社会的地位の人間にも卑怯な振る舞いの大人が多いのが嘆かわしい。メディアも亡くなった若者が良い人でしたと発信するより、死に至らしめた側の卑怯さを強調して貰いたいものだ。個人に「強くなれ」と言っても難しいだろうが、社会全体が卑怯者を忌避する、或いは敬して遠ざける空気を醸成することが出来れば、日本も変わるだろうに。

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

不思議だなあ。
貴殿が保守嫌いなのは理解できますが、安倍政権も自民党も保守ではないですよ。
安保、原発、基地、秘密法など与党であれば民主も推進している政策ではないですか。
アメリカを中心とした世界トレンドだし、政権を維持しようとすれば逆らえないのではと思います。
あえて言えば民主ほど中韓に優しくないくらいでしょうか(笑)。
正直、安倍政権が嫌いな理由がよくわかりません。
ごくごく普通の中道左派ですよ。

senkawa爺 さんのコメント...

匿名さん
コメントをありがとうございます。
私は特に保守が嫌いと言うことではありません。保守でも革新でもいいのです。
強いて言えば、安倍さんと彼を取り巻く連中の態度から、人格の卑しさが透けて見えるような気がして、それが気に入らないのです。

匿名 さんのコメント...

そんな感情的な理由ですか。
それなら民主の元首相も含めて「高潔な首相」はいなかったでしょう。

左翼ブログを見ると「安倍嫌い」で一致しています。
理由がよくわかりません。
民主でも政権をとれば変わらないと思うからです。

貴殿ならもう少し明確な理由が聞けると思いましたが・・・。

senkawa爺 さんのコメント...

匿名さん
再度のコメントありがとうございます。
私の態度がご期待に沿えず実に済みません。

匿名 さんのコメント...

貴殿の自民嫌いは「アンチ巨人」のような心情的なものと理解しました。
まあ、人間は突き詰めればそんなもんで、それはそれで結構かと思いました。

ちなみに、私はサヨクが嫌いなので「中道左派」の自民もそれほど好きではありません。
ただ「サヨクって何考えているんだろう?」という素朴な疑問があり、組織活動家ではなさそうな人にときどき質問を投げかけているだけです。