2015年12月27日日曜日

来年は孫が受験

歳末になって一寸考えさせられるメルマガがあったので、ご披露して皆さんにも考えて頂きたい。米国の大学教授をしている冷泉彰彦氏のもので、タイトルは「日本病への診断書」となっている。冒頭に日本人1人当たりのGDPが落ち目の三度笠で、25日に政府が発表した2014年の数値が36200ドルで、OECDに加盟する34か国のうち上から20番目(前年は19位から1位ダウン)。これは「統計が確認できる1970年以降」では最も低い順位であったことを引用。かつて英国病と馬鹿にしていた英国なんかの遥か後塵を拝するばかりか、近い将来には韓国にも抜かれて、先進国の名に値しなくなりそうな事態に警鐘を発している。

一人当たりGDPが低下しつつあることは政府発表を待つまでも無く、既に多くの人が指摘しているので特筆するようなことでもないかもしれぬ。注目したのは冷泉氏が指摘するこの急速な衰退の要因である。氏は次のように述べている。『この急速な衰退は、事故や怪我といった外的要因に基づくものではなく、内発的な「病気」であり、その診断が急がれると思うのです。その「日本の病気」つまり「日本病」とは何なのでしょうか? 少々長い前口上となりましたが、年末年始の議論の材料にしていただければ幸いです。』

以下かなりの長文になるので引用は省略するが、項目として以下の6項目が掲げられている。
(1)コミュニケーションと言語の特殊性
(2)上下関係のヒエラルキー
(3)東京一極集中は何故ダメなのか?
(4)産業構造が高付加価値型になっていない
(5)苦手でも金融をやるしかない
(6)無駄だらけの教育システム

昔から島国日本を自覚し、それで良いじゃないかと自嘲的に考えてきた。洋服に靴を身に纏っていても、やっていることは着物に下駄ばきで尺貫法を使い続けているに等しいところがあるらしい。我々世代はそれでよかったかもしれぬが、しかし否応なく世界を意識しないことにはビジネスも経済もままならぬ、即ち食っていけない現代になってしまっている。

冷泉氏が指摘した6項目は全て、日本の基準が世界標準を採用していないことを指摘するものだが、中で一番身につまされたのが6番目の教育システムに関することであった。即ち「日本の教育内容が若者の知性を鍛え、知識として蓄積されるようになっていない。」と断定している。小中高のみならず、大学に於いても教育の目的が、世界標準から見ると全くピント外れになっているらしい。欧米先進国に学習塾産業が存在すると言う話は余り聞かないように思うが、
確かに日本の教育システムには何か重大な欠陥がありそうだ。

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