2015年11月7日土曜日

数寄屋橋の風景

昨日途中散歩がてら久し振りに有楽町まで行ってびっくりした。何と数寄橋にあった懐かしのビアホール「ニュートーキョー」がビルごと消えてしまっていた。隣の東芝ビルはかなり前に取り壊されていたが、裏にあった泰明小学校なんかもひょっとすると無くなって、一帯が再開発されているのかもしれぬ。昭和34年初めて上京した田舎の少年の目に映った数寄屋橋界隈は、そもそも戦後の再開発初期段階の成果だったのだろう。

その時既に堀も橋も無く、都電が交差する交差点の上に自動車専用道路が高架設置され、高架下が確か西銀座デパートとか言う商業施設になっていた筈だ。この自動車専用道路に沿ってと言うか、脇にあったのが有楽町そごうデパート、フランク永井の「有楽町で逢いましょう」のモデルで一躍名を挙げたが、一度も入った経験が無い。むしろ西銀座デパートの2階にあったジャズ喫茶によく行った気記憶が残っている。

ま、鉄やコンクリートで作られた都市は半世紀と持たずに取り壊され、再開発されるのは最初から運命づけられているのだから、年寄りが昔を懐かしんでみても始まらぬ話だ。そこで小生は反対側にある昔の日劇、はたまた朝日新聞社か、現在は有楽町マリオンなる商業施設にある映画館のポスターを見て、急に観る気になった映画があった。テレビで予告編を見て、出来れば観てもいいかと思っていた「エヴェレスト」である。上映30分前とタイミング的にはピッタリ、但し3D上映とのことで躊躇したが、思い切って専用眼鏡代を含めると大枚1500円を払って入場した。

3D映画は初めてだったが、案の定煩わしさが先に立つ。しかし好きな山岳映画だけに観た甲斐はあった。ヒマラヤ地方に行ったことが無いので本当のことは分からないが、相当な高地までカメラを上げてロケを敢行したのではないだろうか。勿論ネパール空軍の協力も得たであろう、かなり素晴らしい空撮もふんだんに使われている。ストーリーも実話に基づいているようで、登山の素晴らしさと同時に難しさを提示する内容になっている。

里山の遠足とは異なる登山とは何かである。かなり危険なスポーツ(運動)であり、それなりの訓練を積んだ人にだけ許されるものだと言うことに尽きるだろう。その中でも「エヴェレスト」は地球の最高峰でもあり、最高の体力と技術を兼ね備えた登山家だけに入山が許される山である。しかしここでは最高水準の人でも、自然のあらゆる変化に対抗することは出来ない。命を落とすか、片輪になるかの覚悟が必要のようだ。主人公は辛うじて命を拾うが、同行者を多数死亡させ、自分は両手と鼻を失っている。

自分も好きで、これまでに登山の真似事を何回かしてきた。中には途中で挫折して引き返した口惜しい経験が何度もある。この映画を観て、山頂を極める感激も分かるが、悔しくても無事下山することの大切さを改めて痛感させられた。

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