2015年11月2日月曜日

大手の冬のボーナス

ボーナスと縁が切れて20年の歳月が過ぎた。今朝久し振りに「大手企業の冬のボーナス 3年連続増加へ」なる記事を懐かしく読んだ。それによると、経団連が先週までに纏めた東証1部上場、従業員500人以上の企業80社のデータによると、従業員1人当たりの平均で91万697円とのこと。去年の実績と比べると金額で2万円強、率にして3%増え、3年連続の増加で、回目の集計としては、今の方法で集計を始めた昭和56年以降で最も高い水準だそうだ。

業種別でみると、98万円強の自動車がトップ、続いて機械金属、造船と続いている。経団連は12月下旬に最終集計をまとめる予定で、「最終的に高い水準になるのではないか」と話している。これら大企業の従業員の皆さんにはご同慶の至りだ。しかし、全労働者人口を考えれば、調査対象にならない中小企業の従業員数と、調査対象企業従業員では数的に圧倒的な差があるだろう。新聞テレビで大々的の報道されたこのことを恨めしく思う人が、どれほど多いかも容易に想像できる。

まして、65歳を超える高齢者が2012年の段階で3千万人を越しているのだから、特筆大書されている報道に接して鼻白む思いのご同輩がも多いことだろう。このニュースでマスコミは、財界や政権に恩を売っているつもりかもしれぬが、利益が増大して社員にボーナスで還元したとは言いながら、その大企業の将来もそんなに明るくないのではないか。

海外での市場拡大が命題となっている日本企業にとって、為替の変動、円安効果が効いて見かけ的には利益が増大したように見えても、現地通貨ベースで本当に売り上げが伸びている企業は少ないらしい。当たり前の話で、現在世界中のどこを探しても、景気が良くて需要が活発なんて国は殆ど無いに等しいのではないか。欧米や日本などの所謂先進国は、景気づけに戦争をおっぱじめるような危険を冒さず、頭を冷やして貰いたいし、日本もダウンサイズしていく国力に応じた豊かさについて考えるべき時だろう。

豊かさとは何か。愚考するに「ボロでも雨露凌ぐ家があり、取り敢えず明日もまた普段通り、粗末であっても三度の飯には何とかありつける見込み。」さえあれば御の字である。更に言えば隣近所に不審者が少ないことも上げておこう。

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