2015年9月6日日曜日

鴻池 参議院安保法制特別委員会委員長

鴻池祥肇氏はタイトルに書いた通り、安倍政権の命運を担う要の委員長である。年齢(1940年生まれ)からしても、安倍総理の走り使いではあり得ない。兵庫県尼崎市が地元で、稼業の運輸会社鴻池組は代々続いた侠客だそうだから、神戸の山口組なんかより伝統ある名誉の家系と内心自負していても不思議は無い。日本青年会議所会頭を経て、1986年に衆議院議員に初当選、3期目の1993年総選挙で落選後、1995年から参議院議員に転じた。

政治家のスタートは河本派であったが、小泉内閣では2度大臣経験もあるベテランで、経歴からしても右翼的性格であるのは衆目の一致するところ。ま、典型的自民党ベテラン政治家と言うべきだろう。同じ右翼を自認する安倍総理との距離感は知るところではないが、チルドレンと違って相当使いづらい人間に違いない。しかし総理にしてみれば、審議の先行きに相当な危機感があって、辞を低くして委員長就任を依頼せざるを得なかったに違いあるまい。

鴻池氏も、悪い気はしなかったのだろう。「任せておきなさい」みたい調子で引き受け、何が何でもこの委員会でこの法案を成立させる覚悟を持って臨んでいるのがよく分かる。共産党の小池亮氏に対し「こりゃ、小池!」と怒鳴りつけたばかりでなく、委員会中継を見ている限り、委員長の権威をかさに着て威張り散らすにはうってつけの人材だ。当初から自信満々であった。

今日は暇に任せて一昨日の委員会中継で、民主党蓮舫氏の質疑を一部始終チェックした。その前々日の共産党仁比聡平氏の質疑に民主党にどのように連携していくか非常に興味があったからである。政府与党が委員長とどんな連絡を取り合っているかは勿論知る由も無いが、総理にすれば神様仏様鴻池さまの心境だろう。鴻池氏も侠客の血筋が騒いで「何とかしなくては」の思いも強いに違いない。

しかし蓮舫氏特有の短く歯切れのいい質問に対し、全く防戦一方、狼狽えるばかりでなす術の無い中谷防衛相には、救いの手の延べようが無いみたいだ。審議の中断は数知れず、防衛相側は共産党が入手した資料の存否確認をなんとか引き伸ばすべく抵抗を続けたが、遂に鴻池委員長自ら中谷防衛相に対し「月曜日までにはっきり返事をしなさい。」言わざるを得なくなっている。このこと自体はマスコミで報道されているが、この裁定後の蓮舫氏の質問にも防衛相は殆どまともに答えることが出来ずにいる。委員長もさぞドキドキしていることだろう。

今週末あたりが委員会採決の山場とされているが、鴻池氏がこれをどう裁こうとしているのか?採決を成功させた時のご褒美が頭をよぎっているのだろうか?同い年だけに気になるところである。

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