2015年8月26日水曜日

見切り千両

今日の株式関連報道には、東証底入れ機運とか東証大反発の文字が躍っている。政権自体が「アベノミクスは買いです」なんて煽ってきた博奕の世界だから、政府は胸を撫で下ろしているのかもしれない。先週末からどこの犬が影に吠えてどこの百犬がその声に吠えたのかどうか、又今日は誰が買いに転じているか知る由も無いし、我が家には関係ない世界のことだが、世界的株安がこれで納まるなら目出度い限りだ。ところが一方で、極めて唐突に「安倍首相は26日午前、オバマ米大統領と電話で会談した。」なんて報道がある。

会談内容は、オバマ大統領が米国家安全保障局(NSA)が日本政府や日本企業などの電話を盗聴していたとされる疑惑について、「日本で大きな議論を呼び、迷惑をかけていることを大変申し訳なく思う」と謝罪した。なんて古い事柄を前面に出しているが、後段の「世界的な株安への対応で先進主要7カ国(G7)で連携していくことを確認。」が本音だろう。

アメリカはこの事態を相当深刻に受け止めていると見るのが自然だ。何でも株の売買は難しいもので、過去に世界大不況のきっかけになった1987年10月19日ブラックマンデーの大暴落も本当の原因は分からないものらしい。諸説が横行しているようだが、今週のブラックマンデーも理由が分かっている人間はいないらしい。中国の為替切り下げが理由だと言われているが、きっかけとして、あまりに曖昧だそうだ。きっかけがわからなければ、世界の情報トップのアメリカ政府でさえ真の要因、背景もわからないのかもしれぬ。

ましてや日本だけが世界的株安の埒外に置かれるなんて、うまい具合に運ぶ筈もあるまい。テレビを観ていると、証券マンの中には今が買い時ですとか、日経平均は年内に3万円に届きます、なんてしたり顔で言う手合いもいる。素人だから可能性を否定することはできないが、こいつら誰からのご祝儀を期待して、公共の電波でいい加減なことを言い散らかすのか。まさか政府関係者ではあるまいな。何れにしても政界のみならず、世の中一寸先は闇であるのは確か。

昔から諦めが早いので「見切り千両」はよく使った言葉だが、これは元々投資家の用語であるのを初めて知った。政府が博奕を打って国家の景気が良くなるなら誰も苦労はしない。素人が手を出すと概ねすってんてんになると昔から決まったものだ。政府は投資している訳ではないから、損はしないと思っている節もある。莫大な金額を投じた株も売らなければいいのだから、金勘定だけに限ればそうなのかもしれぬが、その間に失うものの大きさに早く気付くべきだろう。

0 件のコメント: