2015年8月24日月曜日

平和ボケと老人ボケ

今日から放射線治療の後半戦4週間が始まる。今朝はこの夏一番の涼しさになった。このまま秋に突入とはいかぬだろうが、それでも一息つけそうでありがたい。週末の水泳をやめて4週間を経過した。週末の夜アレルギー性の鼻水とクシャミに悩むことが無くなったことには救われている。但し今は、平日週末の関係なしに夜毎の頻尿に悩まされている。これとアレルギーが重なっていることを思うとゾッとする。

水泳をやめたことで運動不足は否めないだろうが、それだけ疲労が少ないので、以前と比較すると土日にできることが多くなった。水泳なんぞしていた日には一昨日のミニ同窓会や昨日の映画鑑賞も覚束なかっただろう。これからはより平穏な老後を楽しむことができると思いつつも、昨日の早朝に思ったことがある。個人的に平和を満喫させてもらっていて結構だが、国民全体として考える時、平和に慣れ過ぎてしまっていることをどのように考えるかだ。

何も政府与党の集団的自衛権行使容認賛成に宗旨を変えるわけではない。そのことは脇に置いて、多少ボケかけてはいるが少しは世界諸外国の事情も知る必要を感じた。我々の世代は高度成長を牽引した世代なので、友人の多くが海外在住の経験を持ち、リタイアした現在でも積極的に海外旅行を続ける人が多い。そんな中にあって、サラリーマン現役時代も海外旅行の経験が少ない上に、60歳代に入ると海外旅行への興味を全く失ってしまった。理由はよく分からないが、経済的理由の他には面倒くさがり的性格あるだろう。

故に海外事情に関しては、ごく平均的なオバサン連中以下であるのも間違いない。そのくせ安全保障環境の変化なんて国会論議を真面目に聴こうとするのだから、どうしても自己矛盾が生じる可能性がある。と書けば格好いいが、このところ国内のニュースがつまらないので、たまたま昨日の朝BS・NHKで海外ニュースを少し観ていたのである。

そこで少し驚いた。国内は大阪寝屋川市の事件の陰でほとんど取り上げられていないが、欧米の大多数国で『国際特急列車でテロを防いだのは「休暇中の米兵」』を大々的に取り上げている。ギリシャの総選挙や朝鮮半島での緊張より前に来ている。事件発生は日本時間22日未明、一昨日ネットで事件の発生は知っていたが、詳細まで関心が無かったので大事件とは認識しなかった。国会論議の中でも、先日の新幹線での焼身自殺事件を引き合いにして列車テロが言及されることはたまにある。しかし今回フランスで発生したこの事件の詳細は今でも知らない人が多いだろう。

簡単に敷衍しておく。「オランダからパリに向かう特急列車に自動小銃を持ち込んだモロッコ人テロリストが列車内で乱射し始めた。その時に休暇で乗り合わせていたアメリカ人兵士(アフガニスタン帰り)2人と民間人の友人1人の3人が、犯人の反撃で負傷しながらも犯人を取り押さえ、結果的に重症者はいるが死者を出さずに済んでいる。」この行為に関し、フランス大統領は即日3人に勲章を授与、列車が通過する各国首脳は勿論、アメリカ大統領やイギリス首相までが絶賛しているとの構図である。

政府は、今後自衛隊もアメリカと一緒に他国で戦争することを前提に、装備や訓練を変更しようとしている。少なくとも今年の1月シリアの砂漠で後藤健二さんが殺害されるまで、日本国内で外国人によるテロは考えられなかった。しかし昨日このニュースを観て、今回フランスで発生したような事件が、近い将来日本で起きても不思議は無いと思った。これが安全保障環境の変化と言うことなのか?

であるなら、平和ボケしているのはむしろ政府与党ではないか。警察や消防を巻き込んで真剣に国内テロ対策を真剣に検討することもなく、他国での戦いについて一生懸命だ。国内のテロ対策は自衛隊法の変更だけではとても対応しきれる筈がない。現在国会で論議されていることは、先日「誰が為の法案か」と書いた通りどこか現実離れしている。政治家やマスコミに限らず、全ての人に「今そこにある危機」への注目を喚起したい。

0 件のコメント: