2015年6月25日木曜日

道楽息子

今朝婆さんと話をしていてタイトルに掲げた「道楽息子」なる言葉が思い浮かんだ。最近あまり聞かなくなったが、お金持ちが珍しい存在だった一昔前にはよく言ったり聞いたりしたものだ。道楽息子は貧乏人の息子にはなかなか出てこないが、金持ちには往々に出現する。やる事なす事悉く何の役にも立たない下らないことばかりで、先祖が築いた財産や名声を毀損していく困った存在である。

誰を思い浮かべたかは言うまでもない安倍総理である。昨日の総理に関する報道で気になったのが次の3点で、この3件を通して感じたのが「道楽息子」のイメージだ。
1.東京オリンピック・パラリンピックの開催準備に専任で当たる新たな担当大臣に、自民党の遠藤利明元文部科学副大臣を起用する意向を固める。
2.ロシアのプーチン大統領と電話会談をした。
3.総理が直接ではないが、海上自衛隊とフィリピン海軍は23日、南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島に面する、フィリピン西部のパラワン島で、海上自衛隊のP3C哨戒機を導入した初の共同訓練を行った。

先ず第1.の件だが、これまでにも正式な「東京オリンピック・パラリンピック担当大臣」は文部科学大臣に任命されている。それが今回特別設置法なる法律が出来て、新たな大臣と役所が生まれることになるらしい。屋上屋の喩えで言えば、昨年の内閣改造で地方創生大臣が誕生した時にも同じ違和感を覚えたが、国家の財政が危機的状況で1銭でも節約が必要と思われる時に何故?である。しかも同じ昨日、国立競技場問題が報道されている。総工費が2500億円を超えるとのことだ。

年金生活から細やかな税金をお支払いしているだけなので偉そうには言えないが、そもそもオリンピック招致そのものに反対だったので、実に砂を噛む思いである。第2.の電話会談も何故昨日だったのだろう?プーチン大統領に対して、ウクライナ問題について窘めるような口ぶりだったかと思う一方、今年中に日本訪問の実現をするようにしたいとのことだ。正に支離滅裂、オバマ君の了承は得ているのだろうね、と念を押したくなる。

第3.に至っては何をか況やである。これだけ戦争と平和で国民がナーバスになっている最中、何を好んで同盟関係も無い国と戦争ごっこの真似をする必要があるのか。道楽息子が親兄弟の直言を無視してやりたい放題しまくっている姿そのものではないか。

先日の「安全保障関連法案に反対する学者の会」(立憲デモクラシーの会)の声明が正に親の直言に聞こえてくる。少し過激ではあるが世話人の山口二郎氏の発言が面白い。「学者の言うとおりにして平和が守れるかとけんかを売ってきた。このけんかは買うしかない。」また「憲法学者が字面に拘泥するのは当たり前。数学者が『1+1=2』にこだわるのと同じだ」「学者は権力を批判することが仕事の一部」とも語ったそうだ。

この会への賛同者は学者・研究者で6800人超、一般人で1万人を超えている。不肖も署名させてもらった。皆さんも是非どうぞ。
参照:http://anti-security-related-bill.jp/

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