2015年6月18日木曜日

楽観主義

昨日終日雨だったので、前の日曜日録画したNHKスペシャル「沖縄戦・全記録」を観てしまった。人生出来るだけ楽観主義で過ごしたいが、これを観てしまうと人間の馬鹿さ加減に嫌気がさしてどうしても落ち込んでしまう。小学生時代に「原爆の子」を団体鑑賞した時以上かもしれぬ。現在国会で審議中の安保法案賛成の人達には是非観てもらいたいものだ。

気を取り直して今日のことを書く。世の中にはまともな話がどうしても通じない人がいるものだ。昨日国会で党首討論が行われたことを夜になって知り、今日ネットで確認してみた。相も変わらず酷いもので、どう贔屓目に言っても総理の発言はまともでない。質問の意味が分からないのか分からないふりをしているだけなのか、質問に対するまともな答えは一度も無い。ネット上の安倍応援者は、全質問をみごとに論破したと喜んでいるそうだ。

俗に言われるところの「ネトウヨ」のことだろうから、どんな人種か知らないが余り気にするほどのことはないだろう。世間にはまともでないと思う人が居るのは仕方ないにしても、総理までそう思えてくるのは少し心配だが、与党内部の先生方は平気みたいだ。もしかしたら、こちらがまともでないのでは、と心配にもなってきたが、世論調査の結果を見ると、同じように考えている人が少なくとも6割以上居るようでほっとする。

同じく昨日国会で選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公選法が全会一致で成立した。来年の参議院選挙から有権者が全国で240万人増えるそうだ。政府には若い年齢層には支持者が多いとの読みがあるそうだが、果たしてそんなに上手くいくだろうか?テレビで見ている限り、最近の若い人はかなりしっかりしていると思う。昔高校時代に新聞なんてまともに読んだ記憶が無いが、現代子は新聞を読まなくてテレビは常に見ている筈。

ニュースなんか見ないのではと言う人もいるが、メディが多様化しているので、少なくとも我々の時代と違って受け止める情報が圧倒的に多いに違いない。中にはおかしな受け止めで、当然ながらまともでない方向に行く人もいるだろう。
戦争について何も知らないので心配と言うご同輩も多いが、必ずしもそうでもないのではと期待している。注入される情報が多いだけに、案外まともで的確な判断が出来るだろうと楽観しているのだ。


以下は実にまともに思えた話。ニュースからの丸写しであるが、一人でも多くの人に読んで頂きたく貼り付けることにする。15日に日本記者クラブで記者会見した小林節・慶応大学教と長谷部恭男・早大教授の発言から長谷部教授発言の一部を抜き出している。

『先週6月11日の憲法審査会において(与党側から発言があった)、私に対するいわれのない批判についてコメントをしておきたい。私が安全保障について専門知識を欠いているという指摘は極めて興味深いと考える。私が専門的知識を欠いているのか。欠いているとは必ずしも考えていない。

 オックスフォード大学出版局が2012年に刊行した比較憲法大辞典「Oxford handbook of comparative constitutional law」という書物がある。ハンドブックという名はついているが大辞典だ。世界の第一線の研究者が参加をしている。

 ところで、この大辞典の「war powers」、戦争権限の項目は私が執筆している。憲法による軍事力行使の制限についての各国の法制を分析する項目だ。このオックスフォード版、比較憲法大辞典の編者は、安全保障に関する専門知識を欠いている人間にこの戦争権限の執筆を依頼したのか。なかなか考えにくいところだ。

仮に私が安全保障に関して素人であるとしよう。すると自民党は、特定秘密保護法案という安全保障に不可欠な歯車と言うべき法案の参考人として、私という安全保障の素人を呼んだ。明らかな人選ミス。私の記憶している限りでは、この法案に賛成の意見を表明したのは、参考人のうち2人だけ。そのうち1人は私。つまり安全保障の素人だ。

 これは、この法律の成立の経緯に重大の欠陥があったことを示すものだ。制定の経緯に重大な欠陥があった以上、政府与党はただちに特定秘密保護法を廃止し、ゼロから作り直すべきであろうかと私は考える。

 別の言い方をすると、今の与党の政治家の方々は、参考人が自分にとって都合の良いことを言ったときは専門家であるとし、都合の悪いことを言ったときは素人だという侮蔑の言葉を投げつける。自分たちが是が非でも通したいという法案、それを押し通すためならどんなことでもなさるということだろうか。』

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