2015年5月8日金曜日

歴史認識

今日昼頃のニュースで、自民党の議席獲得は10数議席の見通しとは嬉しい響きだが、イギリス総選挙でのお話で、我が国では圧倒的多数を占めいている現実は当分変わりそうにない。流石政権への支持率は少し落ちてはいるようだが、それでも過半数を維持しているようで、いよいよ憲法改正に着手する姿勢を示している。民主的な選挙で選ばれているから、何をしようと文句のつけようは無いが、昨日報道された「欧米の日本研究者ら187人が4日、安倍晋三首相に対し、戦後70年の今年を過去の植民地支配や侵略の過ちを認める機会にするよう求める声明を送付した。」との記事には思わず惹きつけられた。

これまでに中国や韓国の政治家やら一部アメリカの議会関係者からも、安倍総理の歴史認識について注文がつけられることは屡あったが、余り真剣深刻に考えたことも無かった。多分総理ご自身の受けとめや多くのマスコミも同じ筈だろう。どうせ、それぞれの政治的立場の相違から己に都合の善いように、他国の指導者を批判しているだけのことだろうと、気軽に聞き流してきたような気もする。かと言っても、個人的には総理の歴史認識は相当おかしいと思いるのも事実である。

しかし政治家とは少し立場を異にする学者さんたち、しかも複数国に亘る187名もの人からの声明ともなると、少し真剣に受け止める必要があるのではなかろうか。この連休半ばから読み始めてやっと下巻に入り、未だ読了に至っていない「敗北を抱きしめて」の著者ジョン・ダワー氏も名を連ねている一人だ。読みながら感心するところが余りに多いので、このニュースのインパクトは余計強かった。

改めて歴史認識を考える時よく引き合いに出されるのが、ドイツのメルケル首相。先日も態々我が国を訪問してまで、先の大戦から福島原発事故にまで触れて、歴史に学ぶべきとのことの重要性を日本人か日本政府に伝えたかったようだ。その彼女がつい先日、また歴史認識について今度は自国民に向かって放ったメッセージが連休中に紹介された。日本人は総理も含め行楽でお疲れで真剣には聞いていないだろうが、傾聴に値する。

今月3日ダッハウ強制収容所の解放70年式典で曰く「ナチスがこの収容所で犠牲者に与えた底知れない恐怖を、我々は犠牲者のため、我々のため、そして将来の世代のために、決して忘れない。我々は、皆、ナチスのすべての犠牲者に対する責任を負っている。これを繰り返し自覚することは、国民に課せられた義務だ。-中略-若者たちが過激な思想に影響されることがないよう、一体となって取り組む必要がある」

メルケル首相も安倍首相も同じ御年60歳。この大きな違いはどこから来るのか分からないが、物理学の博士号を持ちロシア語を初め数か国語を自由に操るドイツ首相の学歴と、我が首相のそれとはかなりの違いがあることだけは分かった。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

最後のセンテンス、きいてますね。私も前からそう思ってました。

senkawa爺 さんのコメント...

匿名さん
お褒めに与り恐縮です。
選挙で選ばれれば誰がつこうと文句の言えないポストですが、やはり総理のポストについて頂く方はバカより利口の方が有難いように思います。