2015年5月19日火曜日

自衛隊の実力は?

政府は今日の閣議で、海外での武力行使は「許されない」との見解を示していた従来の国会答弁を変更し、安倍政権が定めた武力行使の新3要件の下では「許されないわけではない」とする答弁書を決定したそうだ。いよいよ我が国も戦争モードが本格的になってきた。既にイラクのサマワに派遣されたかう赫々たる武勲を持つ自民党佐藤正久氏なんぞは、テレビ番組ではあるが「これで、南シナ海で横暴を極める中国軍を米国と一緒に牽制することができる。」なんて趣旨の発言を大威張りでしているのを聴いたことがある。

政権幹部とは言い難い議員の発言ではあるが、戦争好きにはたまらないほど血沸き肉が踊っているのかもしれぬ。小学生でもあるまいし「一寸待ってよ!」である。直接聞いたことはないが、現職の自衛隊員の中にはPKOで海外派遣となったら退職する人間が増えるそうだ。まして武力行使が前提となると、その数は一気に膨れ上がることだろう。只でさえ自衛員の員数不足と高齢化が問題になっている昨今、当たり前だ。

米軍仕様の武器で訓練しているとは言え、訓練内容は米国とは大分異なる筈である。テレビでは米国海兵隊との合同訓練がよく放送されるが、米国海兵隊は本来敵前上陸専門の部隊だから日本の自衛隊からすれば、無縁無用の訓練ではないか。同じ意味で言えば、昨日ハワイで墜落事故があったオスプレイについても、米軍が日本で訓練飛行をするのを当分見合わせるよう、沖縄の翁長沖縄県知事は声明を発表したが、同型機の購入まで決めている政府は、安全性に問題ない筈、としれ~と言ってのけた。海兵隊が存在しない自衛隊には無用の長物だろう。

戦争について知らない言えばそれまでのことだが、「戦争」と言わなければ「戦争」の危険から逃れることができるとでも思っているようだ。現在大使館付きの自衛官は大分配置されているようだが、実際の戦を自ら確認する観戦自衛官はいるのだろうか?どうもフリージャーナリストの方が戦場には近いようだ。そのことは別に非難には値しない。本来的に自衛隊の任務は専守防衛、日本に攻め寄せた敵を防御することのみである。

故に、他国の軍隊と比較して強いの弱いのとは言いたくない。仮想敵国も持っていない筈なので、他国との戦いを想定した訓練はしていなくても不思議は無い。脅威々々とよく言うが、国内における脅威をどのように見積もってどんな訓練をしているか、教えてもらいたいものだ。先日の総理記者会見では、我が国を取り巻く危機として北朝鮮のミサイルやアフリカで邦人がテロ被害にあったことだけが述べられ、記者から中国の南シナ海進出について質問されても「わしゃ知らぬ。」と逃げている。

一説には先日訪米の際、中国を刺激してはならぬと厳しく釘を刺されたとのこと。米国でさえ中国とまともに戦争することなんか出来よう筈も無い。実力も無いのに火の気の無いところで火遊びしている感が募る一方である。

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