2015年4月22日水曜日

国家の経済力指標

海外旅行から縁遠くなって久しいので、為替レートへの関心がすっかり薄れていた。このところ中国からの観光客が急増して、各地の観光地やお土産の爆買いとやらで家電店やデパートなどが大喜びとの話は聞いていたが、関係ない話なので何となく聞き流していた。ところが、昨日海外旅行に行ったこともない婆さんから中国元の実力について「爆買いする筈よ。レートがレートなんだから。」を聞いてびっくりした。

やはり女性はお金の価値について常に関心を持つようだ。暇に任せて改めて報道を少し丁寧に読むと、現在の円に対する元レートは20円近くになっているらしい。最後に中国旅行をしたのは10数年前で、確か12円程度と聞いた覚えがある。当時から為替レートなど余り関心は無かったが、案内してくれた友人が「2千元(日本円換算2万4千円)あれば立派な高給取りです。」と教えてくれたことを記憶している。現在の中国は経済成長が著しいから、インフレも進んで、現在は2千元ではとても暮らしていけないだろう。

何れにせよ15年そこそこで、収入が増えると同時に日本円との対比でお金の価値が倍近くになれば、中国国民の生活パターンも観光客の土産の買い方も、そりゃ大分変るだろうと変に納得してしまった。逆に考えれば、当時は案内してくれた友人に「小遣にしてよ。」となにがしかの日本円を渡して凄く喜んでもらった記憶もあるが、もし現在同じ額を差し出したら、先方の感激度合いも半減する理屈になるななんて考えたりした。もう2度と中国に行くこともないだろうから、それはいいとして、関連して少し気になる記事に目が留まった。

対米ドルレートである。アメリカなんぞ個人的には中国以上に遠い国なっているのでどうでもいい筈だが、次のことを聞くと無関係では済まされない気もする。日本は対米ドルで円がどんどん安くなっているこの時期に、如何なる理由に基づくのか日本政府は米国債を買い進んで、2月末の米国債保有高は、1兆2244億ドル(約145兆7000億円)となり、リーマン・ショック直前の2008年8月以来、6年半ぶりにトップになったことが明らかになった。とある。

政府の財政が容易ではないように仄聞するが、あるところにはあるものだと、これも変な感心をしているが。自国の通貨安の時に何故高い外国債を買うのだろうか?通貨安が継続しているうちは良いだろう。先の中国人民元の話ではないが、経済が予定通り復活して自国通貨が強くなった時になれば、大幅な評価損が生じることは経済音痴の小生でも分かる。米国債保有については他にいろんな理屈があるかもしれぬが、経済再生を1丁目1番地に掲げる内閣としては、むしろ保有債を売りに回るべきだろう。どうもすることがちぐはぐに見えて理解不能だ。

2014年度のGDP(国内総生産)て奴は辛うじて世界第3位に留まっているようだが、一人当たりGDPはじりじりと下がり続けて現在27位、アメリカの3分の2程度になってしまっている。別に金満国のアメリカに比肩するようになれと言うつもりも無い。また何をもって国力の低下とするのかもよく分からないが、折角豊かな国となったと思っているのに、自ら好んで貧乏国を目指すのもどうかと思う。

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