2015年1月21日水曜日

敵の味方は敵

当たり前にも思えるが、考えてみると子供には分かり難いことかもしれない。そこで先人は子供たちに「さわらぬ神に祟り無し」「君子危うきに近寄らず」のような格言を示しながら、「余計なことをしてはいけませんよ」と教えたりしたのだろう。昨日から大騒ぎになり始めた「イスラム国」による邦人殺害予告の脅迫では、いろいろ考えさせられることが多い。今のところ政府はかなり慌てふためいているように見えるが、本当はどうなのだろう?

新聞テレビでは余り大きく扱われないが、昨年11月に「イスラム国」側から後藤さんの家族に約10億円の身代金を要求するメールが届き、留守家族は政府に相談もしたようだ。ここまでは政府関係者が明らかにしているが、相談を受けての対応については何も語っていない。察するに「自己責任でしょう」程度のことでまともに相談を受け止めていなかったのだろう。当然のことながら個人で対応するには余りにも金額が大きすぎる。

脅迫者側も日本国内でのやり取りを十分見届けた上で、次の手を講じるタイミングを見計らっていたに違いあるまい。結果がどのように決着するか分からないが、政府は最大10億円で済んだ国民の命を失うか、10億円以上の対価を支払うことになるかしか取る道が無くなったようだ。何をお考えになっているか知らないが、総理大臣は中東に、外務大臣はヨーロッパからウクライナに、防衛大臣はアフリカにと、この時期に選りに選って紛争地域に金をばら撒きに散っている。金持ちのバカ息子がヤクザの出入りに陣中見舞いを届けるかのようだ。

ヤクザの大親分アメリカからの命令であれば致し方も無いだろうが、そうでもなさそうだ。今まで知らんぷりを決め込んできたが、今となると人質を殺されたのでは実も蓋も無いので、親分アメリカに身代金支払いを黙認するよう必死に相談をしている最中だろう。誰が考えても、後藤さん宅への接触があった事実が判明している以上、これまでの政府の対応と今後取るべき道筋は明らかだと思うが、どうしてマスコミは「テロには屈しない」に「人命最優先で対応する」と全く正反対のお経を繰り返すしている総理の映像ばかり使うのか、鼻白むばかりである。

大体紛争なんてものは、当事者以外に原因も戦う理由も分かるものではない。ましてどちらに正義があるかなんて断言できる人間はいる筈がない。仲裁できる実力者以外は触ってはいけないのだろう。数日前にも書いたが、金持ちならまだ分かる、日本は決して金持ちではない。税金で助けてほしい国民がごまんといるのに、求められてもいない外国に出掛けて金をばら撒く神経だけは理解できないし、許せない。

挙句の果てが国連でさえの出せない遠い国の紛争に巻き込まれてしまった。中東の人々は昔から日本に比較的好意的だったとされている。なのに今後どのような災いが日本に降りかかるか知らないが、態々友人を減らして敵を作り、無用な心配ごとを増やしてくれた。どうやらこれが総理の大好きな「積極的平和主義」らしい。事件がどう展開するか分からないので、朝っぱらからブログとして書いておく。

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