2014年12月3日水曜日

選挙の鶯嬢

愈々総選挙が始まった。今度の選挙は解散が電撃的であっただけに、多くの候補者が選挙準備が間に合わず苦労しているらしい。昨夜の食事時に面白い話を聞いた。上の娘から電話が来て「お母さん、鶯嬢に伝手はないかしら?」とのこと。聞くと幼稚園のママ友から頼まれているらしい。娘の所在地は板橋区、依頼してきた候補者は選挙区違いの中野区方面の候補者らしい。確かにもう大分昔、婆さんが豊島区議の応援を熱心にしていた時代があるので、ママさん仲間の話の徒然に娘がそんなことを言ったのかもしれぬ。

それで、友達からすぐに聞いてみてよとの依頼になったらしい。残念ながら、婆さんも応援していた区議も引退しているので、役に立つことはできなかったようだ。しかし、娘あたりにまで依頼してきた衆議院候補者の気持ちはよーく分かる。皆溺れる者で、藁にもすがりたいのだろう。と言って解説してくれた。先ずは今回立候補した大部分の候補者が似たような環境に置かれているだろうとのこと。昨日から僅か12日間の選挙運動期間であるが、この準備は相当手間のかかるものらしい。

アナウサー志望の女子学生のアルバイトを雇って、直ぐに使いものになると言う訳にはなかなかいかぬようだ。選挙鶯は台本を読めばいいと言うものではなく、機に臨み変に応ずる特別の技術も必要だし、なによりも公職選挙法についての勉強が必要。区議なんかでもそこそこのマニュアルがあるが、衆議院選ともなると、詰め込む知識も半端では済むまい。専門の人材派遣会社は当然あるが、そういった企業でさえこの暮れの選挙は予想外だろうから、需給バランスは大崩れしているに違いない。

なにも、鶯嬢だけではない筈で、あの選挙カーだって全く同一仕様のバックアップを常に用意しておく必要がある。と言うのは不思議なことに、区議選のように狭い地域でも必ずと言っていいほど故障が出るのだそうだ。安倍総理が解散を明言したのが先月18日、昨日までの2週間で選挙事務所から大道具小道具、なによりもチームを構成する人材の確保は、小渕優子さんのようによほどしっかりしたスタッフいないと先ず難しいのでは。が婆さんに見立て。

「日当1万5千円にもなるなら、丁度亭主の稼ぎが無くなって生活苦の折から、お前が行ければな。」「私だってやろうと思えば上手いものよ。その昔、あくまで事務所詰のみと言う約束で応援していたが、選挙が始まるとどうしても鶯嬢が間に合わないことがあって、その度に拝み倒されて地元を離れた地域で随分代役を務めたものよ。」料理番だけかと思っていたが、鶯までしてたとは初めて聞いた。事務所番にもそれなりの神経が必要で、スパイらしきものやら警官の見回りやら、選挙法をきっちり覚えていないといろいろあるのだそうだ。

テレビでは各党々首の演説ばかりが取り上げられるが、選挙事務所のドキュメントでも作ったら面白かろうにだ。こんな話聞いたせいか、昨日も今日も豊島区と千代田区の街中を一時間以上歩いたが、選挙カーのけたたましさには未だ一度も遭遇していない。

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