2014年12月16日火曜日

船旅への憧れ

先週末の土曜日に都内のホテルで、長野高校OBの首都圏在住者が集う同窓会があって100人近い同窓生が集まった。昭和34年卒業の我が同期生は、既にかなり年配の方である。長野中学時代から数えると創立130年を超える歴史を有するだけに、昔から実に多くの有名人を輩出している。現存する卒業生も多士済々、いろいろな方面で活躍している人物がいる。懇親パーティーの前に、いつもそんな中から選ばれた人が文化講演をしてくれる。

未だノーベル賞受賞者や超有名な芸能人はいないが、仮にいたとしても常にノーギャラである筈だ。年に3回あるこの同窓会の講演が老後の楽しみでもある。今回は木版画のプロ作家と日本郵船で豪華客船「飛鳥」の船長を務めた後輩の話だった。どちらも実に興味深かったが、元船長の話が意外だった。と言うのは、金持ちの年寄りが多くて海外旅行がブームの筈だが、豪華客船でのクルーズ旅行にだけついて言えば、日本は世界水準よりかなり低いとのこと。

我が友人にしても家内の友人なんかでも、1年に何度も海外旅行する人の話をよく聞く。それも結構な料金のツアーらしい。しかし確かにクルーズ旅行の話はあまり聞かない。今年耳にしたのは1度だけ、友人の奥さんが娘さんと神戸から横浜だったか東京まで1泊旅行を楽しんだとのこと。何故か友人は同行しなかったらしい。今度会ったら理由を聞いてみたいが、何故だろう?小生は先日も書いたように、横メシが苦手なので海外旅行をしたいと思っていなかった。

しかし今度の講演を聞いて気が変わった。我が家の財務大臣が許可してくれるなら、1度世界1周のクルーズをしてみたい。ま、無理だろうが、500万円出せば100日ほどで世界1周が可能みたいだ。宿泊が日本国籍の船であれば、飯も日本で食べるようなものだろうし、時差ぼけの心配も無さそうだ。因みに、このクルーズ旅行をする日本人は、ここ何年も年間20万人程度であまり変化が無いらしい。ところがアメリカは年間1300万人とかイギリスが180万人とかで、人口比からするとメチャクチャ多い。

しかもそれが増え続けているそうだから、日本人と欧米人のレジャーに関する感覚は大分異なるものあるらしい。欧米人にとっても船旅が経費的に高いのは同じだと思うが、老後に対する人生観の違いだろうか。彼等には葬式の費用から墓の心配まで、生きているうちにしている日本人の感覚が理解できぬのかもしれぬ。

小生もその日本人の一人だが、稼いだ分だけは綺麗に使い切ってあの世に行きたいものだ。1万円のバスツアーを毎年申し込んでいる関係から、定期的に送られてくるJTBの旅行ガイドを見ても、10日くらいで50万円を超すツアーが沢山掲載されている。急に船旅をしたくなったせいか、だったら郵船の豪華客船に依るクルーズも安いものだと感じてしまった。残念なのは年金暮らしでは50万円のツアーでさえ、覚束ない現実である。

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