2014年11月28日金曜日

減りゆく書店の中で

東京はとてつもなく広い。半世紀以上も豊島区に住んで、池袋を地元みたいに思って大体知り尽くしているつもりでいた。ところが今日、今までに一度も足を踏み入れたことが無い商店街を歩くことになった。一昨日婆さんから『池袋に「天狼院書店」と言う書店があることを知っているか?』問われたが、聞いたことが無かった。何でもテレビで紹介していたとのこと。評判の原因は、販売中の本を座ってゆっくり読める上に、お茶まで出してくれるそうだ。

本を読むために、書棚の片隅に椅子を用意している店があるのは知っていた。東口にある「ジュンク堂書店」である。我が家の近くから池袋のかけて、ここ15~10年くらいで書店は減る一方なのに珍しい話を聞いた思いだ。婆さんがテレビを見て態々メモを取ってくれておいたので、ネットで検索するとすぐに分かった。http://tenro-in.com/と立派なホームページが開設されている。場所はあずま通りで、一度も行ったことの無い商店街だ。

丁度、今日は半年に一度行くことになっている歯医者の検診日で、あずま通りは歯医者から目と鼻の先でもある。池袋で行ったことが無かった商店街を歩くのも興味深いので、行ってみた。書店とは名ばかりで蔵書が少なくて、手に取って読んでみたくなる本は1冊も無かった。椅子があります、炬燵がありますは宣伝通りにあることはある。確かに若いお客が4、5人はいたように思う。
どんな人がどんな本を手にしているかは分からない。5分も居ずに出てしまった。

帰りに近所にある「ジュンク堂書店」に寄って少し時間を潰す。こちらの蔵書点数は池袋随一。幸い椅子が空いていたので、新城カズマ著の「島津戦記」を取って読みだした。今評判が高くなっているそうだが、確かに面白い。危うく買ってしまいそうになったが、衝動買いはいけないと思い直して書棚に返した。不吉なことを予言しては申し訳ないが、新しいスタイルのつもりでも書店経営はやはり大変そうだ。小売業の全てかもしれぬが、資本力の相違が益々格差をつけていくのだろう。

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