2014年11月1日土曜日

「正念場」ねぇ

老夫婦が年金の月額20万円で生活していく術だけを考えていればいいので、元々知識の無い経済問題や株価について語る資格は無いことは承知の介である。休日でもありネタが見つからないので、専門家でさえ余り触れたがらないように思える昨日夕方の金融政策関連のことに敢えて触れる。先月の報道や、政治とカネの問題発生以前の国会(予算委員会)審議を見ていると、アベノミクスなる経済政策が思うように進んでいない。誤算があったのではといった内容が多かったように思う。

勿論政府はそう言った論調を認めてはいなかったろう。小生なんぞには誤算があったかどうかなんて難しいことが理解できる筈も無い。もっと言えば、デフレ脱却の論理自体も意味がよく分かっていないのだ。何度も書いてきたように、物価が下がり続けることは年金と僅かな貯蓄に頼らざるを得ない年寄りにとってはむしろありがたい話で、インフレで物価が上がったり貯蓄が目減りすることの方が余程怖い。従って「デフレは日本の人口構成から来る必然だから、小手先の政策では手の打ちようが無い。」とする経済学者藻谷浩介氏に拍手したくなるのだ。同じ思いの老人がもっといて不思議は無いと思うが、なんでもデフレ脱却が日本にとっての最優先課題ばかりが力説強調される。

個人的に残念であっても、年寄りばかりが日本人ではない。日銀総裁や政府のお歴々も目標とするインフレ路線には乗っていると仰るのだから、こちらの思いとは反対にアベノミクスは計画通り進捗しているし、更に消費税を早いとこ10%にすれば、若者たちに夢や希望が見える日本になると仰りたいようだ。あと1年一寸で迎えることになるその明るい社会てどんな社会なんだろう?素朴な疑問だと思うが、報道によれば給料はいざ知らず、物価が上がることだけは間違いなさそうだ。デフレで低下した国力を回復するのは結構だが、恩恵から零れ落ちる国民も決して少ないとは言えぬかもしれぬ。

少なくとも現在のところ、そんなに貧乏とは思っていない我が家も、恩恵が無い口になるのは間違いないだろう。中くらいが一番と思ってたが、中くらいが2分割されるとすれば間違いなく下層に転落せざるを得ない。それでも国民の6割が支持する内閣だから仕方ないが、6割の中には我が家と同じ運命を辿る人も沢山出るだろう。その時になってから政府を恨んではいけません。5日ほど前にお亡くなりになった集団的自衛権問題で安倍総理のブレーンだった岡崎久彦氏曰く「総理が間違った判断をしたとすれば、彼を選んだ国民が悪いだけで総理に責任は無いでしょう。」実に名言だ。

良いか悪いかは別にして昨日思ったことは、日銀や政府の態度が博奕好きの友人が博奕場に居る時と同じである。大体博奕にのめり込むのは負けはじめた時で、むきになって同じ手に張り込んでしまう。政策決定者と博奕好き友人を同列に論ずるのは恐縮だが、「正念場」なる言葉の使い方はそっくりだ。

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