2014年10月1日水曜日

ネット情報の真贋

此度の御岳山噴火による遭難被害者のことを思うと、山好きの一人として本当に胸が痛む。又2千メートルを超える山中の過酷な環境下で救援に当たっている消防・警察・自衛隊の皆さんには心底から敬意を表したい。

故郷の長野県には多くの火山がある。浅間山が最も有名かと思うが、幸か不幸か浅間山登山の経験はない。火山最初の経験は中学生時代の遠足で、志賀高原から群馬県側の白根山を通って万座温泉まで歩いた時のことだ。初めて嗅ぐ火山特有の硫黄の臭いと、火口池の碧色に感動した記憶がある。長じて箱根山や上高地の焼岳等、火山の噴煙を比較的近くで見る機会はあったが、余り近くに近付いた経験が無い。数年前に御岳山にも登ったことがある。山頂直下に池が見えて、この池も濃い碧だったように思うが、活火山との意識は全く無かった。

地下から吹き上げる水蒸気に最も近付いたのは、志賀高原の麓で有名な地獄谷の温泉噴出孔で、ここには小学校の時から何度も行っている。日本は世界の10%の火山が集中しているそうで、温泉も多く、大方の日本人にとっては地中から吹き上げる煙や水蒸気は見慣れた光景で、むしろ親しんできたのかもしれぬ。しかし今回の御岳山の噴火で、改めて自然の怖さを思い知った。富士山なんかはきついので2度と行く気にならないのでいいが、富士山の小規模噴火は既に頻発しているようだが、大噴火の可能性も大とされているようだ。

これが100年後なのか明日なのか、専門の学者さんでも判定が難しいらしい。
地震や津波もそうだが、家に居ても被災する可能性をゼロにすることはできない。その時は諦めるしかないだろうが、少しでも危険な兆候を感じたら、敢えてそこには近付かないことだろう。今日ネットを見ると、そんなことを示唆する記事があった。9月11日にNHK東海が、「御嶽山で火山性の地震が増えていること、気象庁が火口付近で火山灰などの噴出に注意するよう呼びかけている。」と報道したとのこと。大マスコミは気象庁からの警告が皆無だったとばかり報道するが、皆無だったは違うみたいだ。

それを聴いた名古屋のある地震マニアが、9月12日と9月20日の<Q&Aサイト「ヤフー知恵袋」>に「岐阜県御岳山の噴火について教えて下さい。」とか「岐阜県御岳山の登山道で今回の噴火で影響がある道は有りますか?」と質問したとのこと。それに対する回答が「今回とはいつの話? 今年噴火はしてないでしょう!」と書かれると、質問者はすぐに「9月に入って噴火してますよ。」と切り返したそうだ。

質問した地震マニアさんは、9月11日のNHK東海の報道を素直に信じただけのことらしい。木曽は経済圏で言えば完全に名古屋経済圏なので、東京や大阪のメディアがスルーした気象庁の発表を名古屋のNHKが取り上げるのは不思議は無い。ネット情報は、片山さつき参院議員が<ツイッター>で発信したとされる「御嶽山の観測体制が民主党政権で弱まった。」ように与太情報が多いとも言われるが、中にはこんなマニアックなやり取りもあるようだ。これをマスメディアが取り上げていればとの悔いもあるが、それは無理なことだろう。

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