2014年9月29日月曜日

臨時国会のテーマ

本人がしきりに「安倍内閣では」と言うのもいと面白しだが、政権は女性が輝く社会の構築を目指すそうだ。いつ女性を見ても輝いて見えてしまう爺にこれをコメントする資格は無いかもしれぬが、総理の考えには大きな違和感を禁じ得ない。昔から女性が最も美しく輝く時期を第一子誕生後の母の時代としてきた。何も日本だけの話ではないだろし、万国共通の感覚だと思う。特に日本は昔から奥方の功が無ければ旦那の社会的成功は無いものとされ、家族企業の農家に限らず、男女の分業で社会を支えることが普通であった筈である。

才能が有り余る女性の中には良妻賢母として家庭を守るだけに満足せず、社会に出て男性と同じかそれ以上の活躍をされる方も昔から沢山いらっしゃる。これまた昔から万国共通のことであり、びっくりするようなことではない。ところが最近は、旦那が一生懸命頑張ってもなかなか給料が上がらず、夫婦共働きを余儀なくされる家庭が増えているようだ。本当に女性に輝いてもらえる社会を目指すなら、共働きをしなくても済むような豊かな社会を目指すべきだろう。
或いは、女性が働きやすい環境、例えば保育施設や保育士の養成とか小児科や産婦人科の減少を食止める施策を真剣に検討すべきだそうだ。

安い労働力を増やすために、女性の社会進出を促進しようとの魂胆でないかと勘繰りたくなるようなお題目は頂きかねる。子供一人満足にもうけることが出来ない総理がよく言うよとの思いもあり、どんな女性が輝いて見えるのか、総理の女性観を改めて問うてみたいものだ。畏れ多くも皇后陛下ならまだしも、まさか閣僚の女性陣や先日亡くなった土井元衆議院議長や緒方貞子さん達だなんて言ってほしくないものだ。

序でに地方創生についても指摘しておきたい。地方創生と言う言葉自体に違和感がある。昔から田舎には「江戸もん(者)」と称して、僻み半分で東京人を田舎者のくせにと馬鹿にした言い方があった。地方創生はその逆で、はっきり田舎を見下した言い方である。創生なる単語自体あまり聞き慣れた言い回しでないが、創造するするくらいの意味らしい。地方は昔から存在しているから、今更創造は失礼だ。「江戸もん」はもっと故郷の山河に敬意を以て考えるべきである。

先日物故された経済学者の宇沢弘文氏が説くところではないが、交通機関のスピードアップが人間生活をより貧困化に結び付けるような気がしてならない。田中角栄氏の列島改造辺りまでは、日本の民度を平準化する意味で多少の意味があったと認めるにしても、同様の思考から脱しきれない現在の政治家諸氏の頭の悪さには辟易するばかりだ。

思うに、スコットランドの騒動に触発されたのではないが、日本も大久保利通や木戸孝允が目指した中央集権国家体制そのものを根底から見直す時が来ているのかもしれぬ。敵国条項をそのままにして敵連合の仲間入りを焦るより、足元を落ち着いて見つめ直すことを薦めたい。

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