領主なんか知るか!

父は地方公務員だったがお酒が好きで、酔うと笑いながらよく冗談とも本当ともつかぬことを言った。「我が家は由緒正しい百姓で(但し父が復員してきた時には不在地主で、田畑は1枚も無くなっていた)、明治のご維新までは苗字すら無かった。」もその一つ。その血を受け継いだせいでもなかろうが、生きていくためには土地は必要だろうが、為政者なんかはどうでもいいとの思いが少しある。明治維新前のお百姓であれば、村の自然環境が何より大切で、殿様が上杉であろうと武田であろうと関係ないことだったろう。

我が身に置き換えて少し極端に言うと、国土が保全されるなら国家なんか別に日本でなくてもいい。てなことで、非国民の極みになる。このところ連日「国家の危機を回避するために」云々と聞かされると「どこにそんな脅威があるのだ?脅威は我が国が近隣諸国に与えつつあるだけだろう。」ついそんなことを言ってみたくなるひねくれものである。今朝TBSの「あさチャン!サタデー」に出演した武見太郎の倅の自民党陣笠議員が共演の辻辻元清美民主党議員に向かって「日米同盟はもとより軍事同盟です。」

そんなことも知らないとは、とあきれ顔で得意げに喋っていた。日米安全保障条約とは日独伊3国同盟に代わる軍事同盟だったのか、と初めて認識させて頂いた。その後武見先生の仰ることを一所懸命理解しようと努めたが、無学無教養の悲しさでどうしても理解できない。来週の火曜日には、現在安倍政権が最重要課題としている集団的自衛権行使に関する解釈「我が国は憲法上の制約からこれを行使できない」の変更が閣議決定されるとのこと。やけくそで思えば、湾岸戦争以来既に開いている蟻の穴が、また拡大するだけの話かもしれぬ。

安倍政権が出来る前の衆議院選挙、政権成立の参議院選挙の際には一言も触れず、国会の首相所信表明でも全く触れられなかった案件が、何故か今年に入って総理の訪米辺りから急浮上したらしい。言われてみると、昨年末に総理がマスコミを賑わせてくださったのは靖国参拝で、当時は未だ集団的自衛権なる言葉は登場していなかったようだ。思えば僅か半年の短期間で、自衛隊の武力行使の範囲を拡大するわ、武器輸出への扉を開けるわ、ODAで武器購入を認めるわではないが武見先生の「武」の字が余程お好きと見える。

公約に無くて、少なくとも世論調査で相当疑念がはっきりしているのだから、党内で殿ご乱心と相当の議論が巻き起こるかと思いきや、自民党も不思議な党だ。高村副総裁が昨夜のNHKに出演して仰るのを聞くと、数多い議員の中で異論を唱えるのはやや一人のみ。あとは公明党内の調整を見守るだけ、と必要以上にゆっくりした口調で、やけに自信たっぷりである。きくところでは、与党協議はその名の通り、離脱はあり得ないとする公明党がむしろ積極的にリードして、落としどころ文言を作成とも言われている。

国民の意向より宗主国の意向が大事とは知らなかった。アメリカも馬鹿じゃないから、失望したなんて言いながら靖国参拝を逆手に取ったのかな。一方日本を見ると、政権は誇りも矜持をも捨てさり、ここまで馬鹿にされると何をか況やだ。「勝手にしたら、どうせおいらは領主とは関係ない。」と言いたくなってしまう。

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