2014年5月7日水曜日

見切り時だ

今日はやっと少し温かさが戻ったが、昨日は本当に季節外れの寒さだった。平地の東京でこうなんだから、未だ残雪が消えない中部地方の高山地帯は真冬の寒さであろう。しかし暦の上では夏ともなれば、登山愛好者や山スキーヤーが山を目指す気持ちは分からないではない。当然の帰結として春山は遭難事故が多発する。この連休の締めくくりに、山の遭難がニュースのトップに来る結果になってしまった。

定かには聞き取れなかったが、中部山岳のみならず東京都の雲取山でも遭難があったようだ。このブログでも度々書いているが、趣味と健康法を兼ねて月に1度くらいは山歩きをしたいと思っているので、山の遭難は他人事と聞き流す訳にいかない。昨年までは、夏山のシーズンに入ったら中部山岳の3千メートル級の山歩きをすることを目標のように考えていた。ところが、いい塩梅と言いうのも変だが、今年になって急に、それはもういい加減にしようと言う気になってしまった。

元来飽きっぽいと言うか、何事につけ高い目標に挑戦するのが苦手なのである。
サラリーマン生活を卒業して独立したのが2003年63歳の時である。その時に生活パターンについていろいろ考えて、生活態度を少し変えることにした。稼ぎが無くなる心配もあり、お金の無駄遣いを極力減らすことと、健康を維持して出来るだけ風邪をひかないようにすることが当面の課題と考えた。無駄遣いの最たるものは遊興飲食、半分は会社に回せていたがポケットマネーも大分支出していたので、これは止めること。

止めることは努力のうちに入らない、と言われるようだが、確かにこれは余り問題無く、すぐ止めてしまった。序でにゴルフも止めることにした。こっちは1年か2年掛かったかもしれないが、結果的には止めてしまった。問題は健康維持だったが、出来るだけ規則正しい生活を送ることと、足が弱らないように歩くことが善かろうと思った。そこで思いついたのが子供のころに慣れ親しんだ山歩きである。

山歩きについては記録が残っている。2004年の9月に生まれて初めて北アルプスを観たいと思って、長野から乗り物を乗り継いで行ける立山の室堂に行って3千メートル級の山々を目の当たりにしてしまった。これが病みつきの始まりだった。しかしいきなりアルプスの山に登るのは危ないので、以降2005年から2006年の9月まではトレーニングのつもりで、近くの山を歩き、9月に入って初めて、北アルプスに泊りがけで行く経験をした。行ったのは中学時代の夏季遠足で連れて行ってもらえなかった燕岳である。

ここで満足しても良かったのだが、「俺でも出来るじゃん」と思ってしまったばかりに、それから毎年のように夏は中部山岳地帯の高山を歩きはじめてしまった。そして終に昨年は、7月末から8月の初めにかけて南アルプスを6日も歩いてしまった。結果的には何とか帰宅したが、途中で遭難しかけたりしたので、もうそろそろ考え直す時期だなと思っている訳である。確かに趣味も嵩じると留まるところが無い。しかし所詮はアマチュアの趣味の世界だ。

年も年だし、見切り千両との喩えもある。連休の遭難ニュースを聞いて益々その意思が固まった。

4 件のコメント:

中Chan さんのコメント...

追伸:2014年のGWの山の事故のニュースから
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140508/dst14050807530001-n1.htm
(2014年の)GWの山の事故、死者18人「3000メートル級、冬山の様相も」
2014.5.8 07:53 (1/2ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140508/dst14050807530001-n2.htm
日本山岳協会の尾形氏は「入念な準備は当然だが、決して無理をしない鉄則を
守ることも重要だ」と話している。
2014.5.8 07:53 (2/2ページ)
★今年は、例年の軽装者のみならず、山岳会、登山歴20年滑落、経験豊富で
 装備も整っていたが救助を要請等、ベテランの事例も多いと感じます。
 年齢による体力低下、寒冷化時代の再来等、ベテランでも予想の難しい時代に
 入ったとも言えましょうか。(中Chan)
★無理をしない鉄則、「見切り千両」は真理ですね。(中Chan)

senkawa爺 さんのコメント...

中Chanさん
いつもコメントありがとうございます。
またお褒めに与って恐縮しています。
世の中に老人の楽しみは沢山あるのですから、危険性のあるものを一つぐらい見切っても問題無い筈です。
何かを見切ると、その分だけ心の中にスペースが生じるような気がするのも事実のようです。

中Chan さんのコメント...

“追伸その2”
雲取山は東京都の最高峰(2,017m)であり、都民の水源である多摩川の最初の一滴が流れ出す山だ。雲取山は東京都で唯一の日本百名山である。

★2014年(平成26年)5月9日[金曜日]に記事検索

★爺の登山(ハイキング)日誌でも、良くご紹介のある雲取山で、通算、6日間も、個々に行方不明の登山者が3人も出ているのは、まさに前代未聞のビックニュースかも知れません。
★何時か探す事もあろうかと、ここに引用させていただきます。

http://www.youtube.com/watch?v=WQp56YUy39w
「雲取山で男性遭難か、4日朝から連絡取れず」
239 公開日: 2014/05/05

http://news.tbs.co.jp/20140506/newseye/tbs_newseye2194801.html
「雲取山で男性遭難か、4日朝から連絡取れず」(06日11:24)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140506/k10014243081000.html
「雲取山で男性遭難か 警察が捜索も難航」5月6日 11時52分

http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20140507/4257811.html
「雲取山遭難の男性 発見できず」05月07日 17時52分
警察は8日もさらに人員を増やして、捜索を行うことにしています。

http://jcc.jp/news/8315227/
05/08 13:40 (BS1[BS列島ニュース])
「丹波山村・3人遭難で人数増やし捜索」
山梨と東京の境にある雲取山など丹波山村の周辺で
登山に出掛けたまま行方不明となっている合わせて
3人の男性について、山梨県警は3人が遭難したとみて
約30人の態勢で捜索にあたっている。

http://www.nhk.or.jp/kofu/lnews/1044273062.html?t=1399593273671
「雲取山など遭難3人発見できず」(甲府)
3人は見つからず、8日午後4時半ごろ
いったん打ち切られた。
警察は、9日午前7時から捜索を再開予定。
05月08日18時25分
・・・・・・・・・・・・・・・
「8日の状況」
およそ30人の警察官が雲取山に連なる登山道を捜索。
ほか、ヘリコプターで雲取山山頂、尾根周辺を捜索。
捜索はおよそ9時間半にわたって行われた。
・・・・・・・・・・・本日9日続報なし・・・・
http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/131123/evt13112320590028-n1.html
「雪山遭難の捜索費用について」(一般的な話)
原則公費(遭難者側負担なし)の警察や自治体だけの捜索はまれだ。
「山岳遭難対策協議会」に所属する地元山岳会の会員や、民間の
ヘリコプター会社に協力を仰ぐ。遭難者側はこの費用を負担しな
ければならない。
民間ヘリの出動費用の相場「1分1万円」、「長期化なら青天井」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
では、このへんで

senkawa爺 さんのコメント...

中Chanさん
度々ありがとうございます。
昨日この男性が7日ぶりに救助されたようで良かったと思いました。
少し詳しく読むと、この男性は画家さんで、写生のポジションを決めようとさまよううちに道を見失ったようです。雲取の登山道で道を間違えるとは考えにくいと思っていましたので、納得しました。それだけに捜索もままならなかったのでしょう。
それにしても、まだ2名の行方不明者がいるとのこと、心配しています。