2014年5月15日木曜日

雑感

こちらが鈍いのかもしれぬが、日本社会の全体像が非常に分かり難い。戦後67年の時を経て国民が豊かになったと思っていたのだが、気が付くと貧富の格差が急速に広がっているようでもある。営々と気づいてきた日本独自の社会構造、人によっては独特の社会主義だったと言う人もいるが、これが完全に壊れたのかもしれぬ。中国のように長いこと慣れ親しんだ社会主義経済を、手の平返しで一気に自由主義化すると、終戦直後の日本のように混乱に乗じて成り上がる人間が出てくるのは已むを得まい。

なんて言っても人口が多いので、日本で言えば戦後の闇市から成りあがったような人種が1億人を超えると言うことだろう。日本にも成り上がり者はいたのだろうが、全体から見れば例外扱いでよかったようなものだ。それが小泉内閣の郵政改革の頃からだと思うが、何故か知らぬが日本も少数の金持ちと多数の貧乏人へと構造が変化しつつあるようだ。何時の時代も金持ちと貧乏人がいるのは当たり前だが、これが嘗てのようにピラミッド型で形成されず、塊と塊に分かれて間が断絶してしまう社会となると問題だろう。

日本の今はまだ過渡期かもしれぬが、アメリカは既にその兆候が顕となりつつあると言う人もいる。本当は政治家がもっと敏感にこう言った構造変化を感じ取るべきと思うが、現代の政治体制下ではとても無理な相談のようだ。せめてマスメディアに期待したいのだが、これも駄目なようで行く末を歎ずるのみである。一方こちらの思いとは全く逆で、日本は繁栄していると海外から評価され、投資マネーが流入しているのも事実らしい。

経済の事はよく分からないので措くとして、社会面の報道に一昔前には考えられなかった記事が頻繁に掲載されるのが気なるところである。お巡りさんの犯罪は珍しくなくなったかもしれぬが、最近は学校の先生が麻薬で逮捕との記事が続いた。麻薬と言う日本語も古典的なものかもしれぬが、トラックドライバーが眠気覚ましのつもりで手を出すのは分からぬでもない。しかし学校の先生が何でそんなもの手を出さなければならぬのか。

一方ではかなりのスピードで進む高齢化社会、我が町である東京豊島区でさえ何十年か先には人口がゼロになるとのこと。高齢者はタンス貯金が多いと単純に決めつける傾向があるが、これも如何なものかと思う。毎日池袋界隈を歩き回って思うのは、年寄りの生活も様々で、政府が統計だけを見て机上で考えたセーフティネットとはかなり目が粗いようだ。個人的には先が短いのでどうでも善いようなものだが、年寄りが暗い顔でいたのでは若い人も迷惑だろう。

第一若い人達にも自分の将来像が見えにくくなってきているようである。どこの会社に就職しようと、何年経っても給料が上がりません。上がらないのはあなたの努力が足りないせいよ。なんて言われてもなぁだ。努力する者が報われる社会とは聞いたところは良いが、やはり社会のどこかが病んでいるとしか思えない。

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