2014年4月24日木曜日

日米同盟関係

米国には知日派と言われる紳士が沢山いらして、その中にリチャード・リー・アーミテージ氏がいる。既によくご存知とは思いますがスキンヘッドで筋骨隆々なんて表現では追い付かない程の巨漢。海軍兵学校の出身でレーガンやブッシュ時代には共和党政権では、政権内にあって外交と国防の要職を歴任している。風体に似合わず穏健派だそうだ。米国の現政権は民主党だが、現在政治コンサルタントを生業とするアーミテージ氏の発言は、少なくとも日本国では相当の重みをもって受け止められているようだ。

推測するに、日本政府が相当なコンサルタント料をお支払している可能性は大だろう。大統領訪日の前に彼も来日し、集団的自衛権行使については余り焦らずに、当面は経済政策に力を入れろと述べたことが大々的に報道された。野次馬的に見ていると、成績の上がらない良家のご子息が家庭教師をお願いしているように見えてくる。米に限った話ではないだろうが、外交戦略なんてものは長期的視点に立つので、政権政党が変わっても基本路線はあまり変化しないとすれば、アーミテージ氏にアドバイスを受けるのもありかと思う。

しかし日本も独立国家である。明治維新前後でもあるまいに、お雇い外国人に国の基本方針を一々お伺いを立てて決めているとしたら、随分情けない話だ。今回のオバマ大統領の訪日で、日本としては日米関係が揺るぎないものであることについて、何らかの言質が欲しいらしい。端的に言えば、尖閣諸島が日本の領土であり、一旦緩急ある時は米軍が手を貸しますと言ってほしいとのこと。
聞くだけで情けなくなる。たった今、夕方のニュースで、今日の共同記者会見で日本の要望に沿った発言をが得られたと報道している。

既に月曜日に読売新聞がスクープした通りの筋書きに沿っている。逆に、その他対露問題や対北鮮問題、或いはTPPについて、日本がどのような言質を取られたか知らないが、安全保障問題で大きな成果があったと喜ぶのは如何なものだろう。米国が日本の無人島に中国の旗が立ったからと言って、兵隊を出すことなんかあり得ないだろう。日米同盟関係は結構だが、集団的自衛権で他人の頭の蝿を心配するより、我が国が本当に心配すべき問題は何か?ロシア・中国・韓国を含むアジアの諸国と如何に友好的な関係を築けるかにあるように思う。

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