2014年4月23日水曜日

三流国家

ここ1週間日本でもトップニュースになり続けているセウォル号事件だが、徐々に真相が明るみに出るにつれて、韓国社会の未成熟さと言うか醜さが露呈されてくる。確かにフェリーを運航する会社とその乗組員の取っている態度は、日本の常識では考えられない。乗客が想像を絶する被害にあっていると言うのに、船員のほぼ全員が助かっているとは信じがたいことだ。昨日初めて、修学旅行の生徒の避難誘導をして、自らは亡くなった若い女性船員の話が出てホッとしたら、なんと彼女はアルバイト学生だったとのこと。

その裏で、高級船員が一般客には見えない専用脱出路から救命ボートに乗り込んで助かったなんて報道を見ると、余計がっかりしてしまう。現場には救出のために公的機関とボランティアが多数集り、大統領まで視察に行った筈だが、ここでも混乱しているようで、軍と民間スタッフが感情的に対立して、怒った民間スタッフは作業せずに引き上げたとまで報道されている。外国のことだからよく分からないが、社会的未成熟もさることながら国民性もの違いもあって、組織立った行動が難しいのだろうか?

一方では、報道によると国中に悲しみが拡がり、集団無気力症に精神的外傷すなわちトラウマ症状があらわれているそうだ。テレビが歌舞音曲の放送を取りやめているとか、文科省に当たる役所が小学生から高校生までの修学旅行を向こう1年禁止したとか、我が国の311災害当時以上のショック状態のようだ。
国を挙げてお取込みの真っ最中の感が伺えるが、こんな時に賓客を迎えるのも大変だろうが、訪れるオバマ大統領も複雑な思いだろう。

他国の不幸をブログテーマにするのは止そうと思っていたが、韓国国内でも新聞(中央日報)の社説が自国を「韓国は「三流国家」だった」と書いたことを知って気が変わった。下記に少し引用する。
「中央災害安全対策本部は掌握力もなく、海洋水産部と安全行政部は疎通せず、派遣公務員は弁解ばかり…、見ていて我慢できないほどだ。(中略)世界7位の輸出強国、世界13位の経済大国という修飾語が恥ずかしく、みすぼらしい。(中略) 一国のレベルと能力も災難と困難が迫った時に分かる。韓国のレベルは落第点、三流国家のものだった。」

他国のことを我が国では考えられぬと冷ややかに書いてきたが、翻って我が国のことを考えると果たしてどうだろうか。たまたま昨夜来の報道では、311事故以来、復興支援のためとのことで引き下げられていた国会議員歳費を元に戻すことが決まったとのこと。一般市民が所得税や住民税に課せられている復興支援の特別税は今後10年又は25年も続くのだそうだ。我が国の政治家は、乗客を残したままさっさと逃げた船員や船長を、三流国家のことだと嗤えるだろうか?

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