2014年3月18日火曜日

工事現場の休憩タイムから

一昨日アルバイト先の現場で22歳と30歳の青年と一緒になり、仕事の合間に聞いた話だ。前者は有名な私立大学卒業を目前にしながら、就職は決まっていない。取り敢えず今夜の夜行バスで志賀高原に行って、2日間彼女とスノーボードを楽しむ。大学を卒業してから先のことは考えるつもりだが、親からは家を出て独立しろと言われている。理工系学部でないので、特別な技術は何も持ってない。無垢と言えば聞いたとこは良いが、よくもこんな世間知らずでいられるものだ。これが現代の実態かと、やや唖然たる思い。卒業後に親元を離れて独立となれば、何らかの手段でお金を稼ぐ必要があることは分かっている様子ではある。

手っ取り早いのはどこかに就職することだろうが、世間にどんな就職先があると考えているのか想像が出来ない。現在は工事系の派遣会社に登録していろんなアルバイトをしている様子。卒業後はこんな事ではいけないので就職したいたい本気思っているのかさえ疑わしい。もう一人30歳の方は沖縄から東京に出てきて10年目。本業は新宿アルタ裏の沖縄レストラン勤務で、住まいは中野坂上。外食産業の賃金はとても安いので、まだ独身のようだが休日のアルバイトが不可欠らしい。かなり年季が入っている様子で、いろんな職種について学生に様々な知恵を授けている。

二人とも身体さえ丈夫なら1日1万円弱の日当にありつける道は知っている。しかし、特に年長の方はその日暮らしで良いと思っている訳でもない。将来についての不安が時々脳裏をよぎるのだろう。年金や健康保険についていろんな質問があった。彼は多分勤務先で厚生年金を払っているのだろう。これが何歳から受給できるのか心配な様子だ。現在の65歳受給を理解し、自分の場合は更に遅くなることを心配しているが、制度そのものの必要性は認めている。

学生アルバイターが年金を納めていないことを聞くと、当然納めるべきと説得していたのも印象的だ。現場では午前と午後に1回ずつ必ず休憩、即ち「一服」タイムがあるせいか喫煙者が多い。二人の相棒もそうだったが、会話を聞いていると喫煙本数とか煙草の種類、経済もさることながら健康を相当意識していることが窺える。安倍政権のお陰で当分は工事アルバイトの求人はあるだろうが、オリンピックが始まるまで持つのでしょうかね?と聞かれたが、爺さんに分かる筈も無い。

友人の社長さんの話では、数年続いた不況で建設業界が縮小して職人不足の現状がある。この影響が今後どんな形で出てくるのか、心配な面もあるそうだ。友人の会社でも今月の工事はずっと以前に見積もりを出していたもので、やっと間に合ったが、最近では発注があっても応札できずに見送らざるを得ない案件が数件あったらしい。それでも東京は未だ益しで、地方では大問題らしい。オリンピック景気と騒いでも、福一の収束作業なんかどうするのだろう?未経験の業界人との会話に考えさせられることが多かった。

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