進歩と退化

朝から清々しい天気になった。事務所の真ん前にある9時開業の床屋さんに9時ジャストに行ったら、既に先客が2人もいた。何れもご近所のご老人でお知り合いらしい。この床屋さんの真下で行われている地下鉄工事や、近所の廃校となった小学校跡地に出来る特養ホーム建設の件で、大声で話をしている。自分の声は棚に上げて、工事の騒音についての苦情だ。特に地下鉄工事は深夜が中心なので、床屋さんは被害が大きいらしい。元請に相当クレームをつけているようだ。

工期は7年、来年の秋完成の約束で、始まる前に相当念入りに調査して写真も撮ったらしいが、家の真横にでかい穴を掘られたので家が傾いでいるとのこと。騒音被害も甚だしく、クレームは申し立ているが、元請も復興特需で忙しいようで、なかなか素直に応じないと不満たらたらである。事務所の隣が元請の現場事務所なので、四六時中作業員の出入りを見ている。しかし工事現場の真上を毎日歩いていても、足元で深夜が本番とは言うものの、大工事に全く気付かなかったので、ある意味感心もした。もう5年も経つのかとの思いもある。

最近東京メトロの宣伝で、ぼんやり知り始めたが、床屋さんが詳しく解説してくれた。千川駅近くで有楽町線と副都心線を立体交差(現在は平面交差)させるらしい。根本的に千川駅近くのトンネルを拡大しているので、落盤事故や電車の接触事故もあったらしい。床屋さんに言わせると、それでも土木建築技術の進歩で、工事は大分スムーズに進んでいるし、機械も新しく優秀なものを持ってくると騒音も大分違うとのこと。昭和38年初めて上京して住んだ新宿のアパートの前で行われていた地下鉄工事とは大違いだ。当時は深夜青梅街道の交通を遮断して、露天で穴を掘っていたのを思い出す。

これも科学技術の進歩発展のなせる技だろうが、逆にこのところ人間がどんどん幼稚化していくような気がしてならない。散髪ですっきりした序でに永田町の国会図書館で安いランチを食べて、千鳥ヶ淵から靖国神社をお参りして飯田橋まで散歩をした。図書館で小学生の頃の愛読書「少年倶楽部」を2冊ほどざっと読んだ。昭和22年12月号と23年12月号だったと思う。この雑誌は小学校上級4年生頃から愛読した思うので、その少し前のものを読んでみたくなったからである。

つまみ読みであり、メモを取った訳でないので記憶は定かではないが、内容の充実に頭の下がる思いがあった。先ず本文冒頭に掲げられていたのが色つきの口絵頁である。一つはソクラテスが死刑を命じられて、弟子の前で毒杯を呷って自殺するシーン、も一つはアルキメデスがギリシャの兵隊に殺される直前のシーンである。下に解説が付され真理の尊さを訴えている。他に印象に残ったのが「読書のすすめ」。短い文章ではあったが、次のような趣旨だった。

「取り敢えずは何でもよいから本を読みなさい、しかし段々難しく思う本にも挑戦することが必要です。面白い本ばかり読むのはお菓子ばかり食べることに似ています。難しい本も何度か読み直したりすると、面白くなることがあります。」ここまでは子供言い聞かせる話としては当たり前だろう。感心したのは次のことである。読むときの姿勢などについて述べたのち「電車や汽車の中で本を読むのはよくありません。外では周囲を観察することの方が、本を読む事より考える力を養うことになるのです。」

現代は電車の中で半数以上の人間がモバイル端末を見つめている。考える力が薄れて幼稚化するのは 宜(むべ)なるかなである。

話がとっ散らかって木に竹を継いだようになってしまった。反省
明日は今年の初ハイキング(高尾山)に出掛けるのでお休みして、日曜に報告を書きます。

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