2014年2月27日木曜日

後輩が頑張っている

衆議院予算委員会集中審議のテレビ中継があったので午前中1時間ほど見た。高校の後輩民主党篠原孝氏の質問があったからである。彼の持ち時間は40分程と短かったが見応えがあった。民主党政権時代にそんなに派手に喧伝される存在ではなかったが、地元長野では着実に足場を固め、大逆風の前回選挙でも見事選挙区で当選を果たした。信州人の例に洩れず、演説はお世辞にも上手とは言えない。

彼の前に質問に立ったのは民主党の古川元久議員、民主党政権時代には国家戦略担当も務めたスター的な存在なので、篠原氏とは好対照かもしれない。弁舌も実に爽やかで篠原氏のような聞き取り難さが無い。古川氏の質問は後半の一部しか見ていないが、エネルギー政策に関連して、一昨日発表になった「エネルギー基本計画」の内容について茂木経産大臣委噛みついていた。言いたいことは原子力政策に関して、311原発事故の学習効果が全くないこと、即ち嘗ての自民党政権時代の反省がなされずに同じ轍を踏んでいる。

しかし受け手の政権側にすれば質問は全て想定の範囲だろうから、いくら噛みついても蛙の面に何とかで、軽くいなされた上に、震災直後の民主党政権時代にエネルギー政策を見直さなかったことで逆襲されてしまうので、スター議員であるが質問が空ぶっているように見えた。篠原氏の場合は早口で聞き取り難いのが欠点ではあり、特に今日の質問は短い時間の割に少し内容を盛り込み過ぎの感もある。しかし、よく聞いていると素人にも非常に分かりやすい話をしている。

篠原氏は元農水官僚だし、選挙区は長野1区で高校の後輩でもあるが、電車通学者で出身地は長野市内から離れた田舎から通っていた。現在の応援者が農家の人が多い筈だ。しかし大学が京都であったことが関係しているかどうかは知らぬが、農水省時代もそんなに出世街道を歩んだとは思えない。単なる後輩と言うだけで個人的に親しく付き合ったわけだはないので、当て推量に過ぎぬが、そう言った世俗の欲に薄い性格のかもしれない。母校の校風でもある。

役所時代にパリのOECD事務局に出向したことなどもあり、国際的通商交渉は大分経験しているので、この経歴は現在相当役に立っているのだろう。民主党政権時代TPP交渉に入る前から、多くの疑問点を上げて警鐘乱打し、内外の事情を熱心に研究して著書を顕したりメルマガで情報発信を続けている。如何なる事情があったかは分からぬが、折角の機会だからこの問題だけに絞っても良かったと思う。

今日の質問で感心したのは、政権から決まりきった答えを引き出すことを極力避けて、むしろ褒め殺し的な質問に終始していたところである。得意のTPP問題では甘利明経済再生担当相に向けて無意味な質問はしていない。シンガポール会議が纏まらなかったことも勿論非難していない。纏まる筈がないけど頑張れみたいことであった。時間が少なくて残念だったが、日本の農業の現状を具体的な数字を図表にして持ち込み、これを説明したのが秀逸だった。

日本の農業は過保護だとか、規模が小さいから何とかしなければと我々は思わされている。この犯人がマスコミであるかどうかは別にして、少なくとも相当認識を新たにした。素人でさえそうなんだから、農水大臣でも総理大臣でも反論のしようがない。

このブログを読まれた方は、明日以降の衆議院インターネット中継で検索可能になりますので、篠原氏の質問を聞いてみてください。秀逸と書いた資料は下記で参照可能ですが、説明を聞かないと少し分かり難いかもしれません。
http://www.shinohara21.com/blog/archives/2014/02/140227.html#more

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