2014年2月20日木曜日

挑戦の祭典もやがて

人は自然の中で生かされている生き物で、自然と共に生きるのが本来なのだろう。ところが火を起こすことから始まって、数限りない不思議なことを発見して、自然を克服できるものと思っている。地球上にはそう思わない人間も沢山いるが、日本人の大部分と同じで自分もその傲慢な一人である。酷寒酷暑も何するものぞだし、美味い食料を口にするのも手間要らず、好きなだけ食って身体に支障が生じても、医学的な手当てで肉体を正常値に戻すことも可能だ。

冬は寒くて当たり前だろうが、普段から天然自然を無視した生活を常としているので、冬らしさが約1週間ほど続いただけでへばってしまった。首都圏周辺でもさらに厳しい環境に取り残されているお年寄りを思うと、何とも意気地のないことだ。自然の摂理からすれば「いつまでもあると思うな」は親と金ではなくて、己のことかやっと気がつく昨今である。昼飯を共にした友人から「今年の山行きについての計画は?」と聞かれ、「山行きのことを考える元気が出ない。」と答えた。連れ合いが入院している上に、昨日は弟の嫁まで倒れたとのこと。落ち込まない方が不思議だろう。

誰にとっても時間だけはどうしても取り戻すことが出来ない。しかし季節は巡るので、やがて冬も去るだろう。せめてその移り変わりを楽しむ他はあるまい。

寒さの中で楽しませてもらったソチのオリンピックも愈々終盤戦、過大な期待はしていなかったが、昨夜の女子フィギャショートプログラム浅田真央選手の16位には流石にびっくりした。これがプロの競技と言うものなんだろう。未だフリーも残っている。凡人であれば出場すらしたくないだろうが、ここでプロの根性を見せてほしいものだ。何れにしても日本人選手はよく頑張って楽しませてくれた。

オリンピックは夏冬問わず、人類の知力体力の精華を誇る最大のお祭りに他ならない。事前に会場設営が間に合わないとか言われていたロシアの関係者もよく頑張っている。ソチはロシア有数のリゾートエリアとだけ知らされたが、実際にどんな場所かをイメージすることが出来ない。ソチ地方の人口構成も、スキーやボードなどのウィンタースポーツの施設が従来どれほどあって、それが庶民にどれほど浸透しているのかは知らない。報道で見る限りは気象条件が最適ではないように思うが、雪を運んでくるのか人工降雪を利用しているのか判然としないが、広大な会場を日程通りに運営しているのは大したものだ。地球の広さを改めて感じざるを得ない。

実態が分からないので余計なお世話だろうが、我が故郷長野市や周辺エリアでは16年前のお祭り騒ぎの後に相当な負の遺産が残った。当然ながらソチのイベントのためには膨大な施設が準備されたろうし、そのために労働者も国内外から動員されて、ソチ地方は活性したことだろう。少なくとも長野の場合はそうだった。バブル崩壊で日本全体が不況に喘いでいる最中、長野県の北部だけは好況が続いた。ところが、オリンピックが終了した途端にその灯が消えたと仄聞している。えらい目にあったと言う友人も少なくない。

当然ながら現地ではそんなことは承知の介で、対応していることだろう。残る数日、心配されているテロが発生することなく、無事平穏に祭りの閉会式を迎えることを心より祈っている。

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