2013年12月12日木曜日

南アフリカ:マンデラ元大統領の国葬

10日に行われた南アフリカ元大統領の国葬に日本から皇太子殿下と福田元総理が参列された。世界各国から100人を超える首脳クラスが参列したそうで、日本と最も関係深いアメリカからは現職のオバマ大統領夫妻の他に3人の元大統領が参列した。共和党のブッシュ氏、民主党のカーター氏ともう一人は確認できなかったが、キッシンジャー氏の姿も見たような気がする。南アフリカと日本の関係について詳しくはないが、在住経験のある複数の友人から聞いている限りでは、鉱物資源の豊かさなどからして決して無視できる国ではなさそうだ。

南アの国葬に関してはマスコミはさらっと流すだけで、総理が行かなかった理由について触れることも無く、まして非難めいた報道は一切ない。マンデラ氏について多くは知らないが、正にノーベル平和賞受賞に値する偉大な人道主義者だったと思う。日本との経済関係が有ろうと無かろうと、政治家ならば民主的国家建設を目指す同志の一人として共感を持って当り前であろう。盛大な葬儀になったのは、世界にはそのように考える政治家が非常に多いことに他ならない。

日本人にとって葬儀が最大の義理掛けであるのは誰も知っていることである。普段村八分になっている家でさえ、葬儀には村人全員が駆けつけるのである。安倍総理の考えや行動には理解できないことが多いが、この件に関しては本当に理解できない。オバマ氏やキャメロン首相に会えるだけでも喜びそうな彼が、敢えて参列を辞めて福田氏に譲ったのは如何なる理由だろうか?10日の首相動静を改めて確認しても、国会が終わってホッとする様子は確認できるが、その日に総理が国内にいなければならない特段の理由は何も無さそうである。

人種差別については関心の薄い国柄の故か、関係性が薄い国と見たか、何れにしても総理は自分で出向くほどのことはないと決めた訳だ。このことは個人的見解と判断が別れるところだから仕方ない。問いたいのは、メディアの対応である。1社や2社は小生と同じ違和感を持ってほしいのだが、こちらのセンスが余程常識離れしているのだろうか、関連する記事は何処にも見当たらない。

圧倒的多数を要する国会審議で勝ち続ける与党自民党に公明党。余裕の総理がゴルフをしようと座禅を組もうと勝手だが、マスコミまで弛んでしまったのでは庶民は救われない。平和の党、庶民の味方と称する公明党のありようはこれで善いのだろうか。マスコミの諸氏に対し、健全な批判精神を失わないようにお願いしたいものだ。

0 件のコメント: