2013年11月17日日曜日

結局何も変わらないのか

党首討論のハプニングにも見えた衆議院解散があったのが、1年前の11月16日だそうだ。早いもので昨日で丸1年経ってしまった。この1年で変わった事と変わらない事がありそうだ。我が身の周辺はあまり変化が無い方だろう。孫たちが順調に成長するにつけ、我が身と彼らの距離が拡大の一途を辿っているのが寂しいだけのこと。でも自然の摂理みたいもので、世代交代に向かっているのだから仕方がない。

問題は日本社会全般を見た時である。総選挙を経て新しい政権が誕生して、変革に向けてのロケットスタートを切ったと譬えられたものだ。目玉は言うまでもない「アベノミクス3本の矢」と称する経済政策。マスメディアは年初から散々もて囃し、やれ景気が上向いた、株価が上がっている、賃金が上がりそうなのでデパートやスーパーの売り上げが伸びていると報道してきた。しかし秋口に入り臨時国会が始まると、この場で3本目の矢が射られるはずなのに、一頃のような威勢のいい話は聞こえてこない。

「アベノミクス」が本年の流行語大賞になるのは間違いないだろうが、芸能人でもない総理が発した言葉が流行語大賞を獲っても、それだけでは全く無意味である。脱デフレ景気向上、家計所得の向上、財政収支改善などの実質的な効果が出ないことには始まらない。ところが最近の報道に「アベノミクス」が特筆大書される機会が減ってきているように感じていた。むしろ企業業績の改善は、その殆どが円安効果に依存し、自動車や家電製品の売れ行きが伸びた事実は見られないとの報道があったりした。

そこに持ってきて先週半ばに2013年7-9月期GDP速報値が発表されると、この週末にかけてむしろ「アベノミクス」腰折れ論が踊り始めている。ネット上では発表当日の13日前後から、しきりにそれ見たことかといった情報が氾濫していたが、今朝のTBS「時事放談」に出演した元自民党幹事長古賀誠氏でさえ、「アベノミクス」経済政策が上手くいく筈がないみたいことを言い始めている。現役でないとはいっても、自民党では未だ隠然たる力を持つと言われる御仁のお言葉だ。

異次元の政策とは論理的根拠がないことを自ら証明しているのだから仕方がないと言えばそれまでだが、先週末に1万5千円の大台に乗ったとされる株価頼みの政権が、不謹慎ではあるがどこまで持ち応えるのか興味津々になってきた。
とは言っても、取って代わる政敵が不在では倒れたくても倒れようがないのか?我が国もいよいよ情けないことになってきたものだ。総理本人は国会などどこ吹く風で外遊あそばされているが、手の者に任せているのが「特定秘密保持法案」に「日本版NSC法案」と訳の分からない奴だが、鳥越俊太郎氏は「戦争をしますと言っているのと一緒」と仰っている。

一方で変わらないのが福島の原発事故対応だろう。騒ぎだけはご大層なもので、特に最近は前政権の初動が間違っていたのを修正して政府が前面に、とか言っているが現地の復興が全く進まないのは全く変わっていない。むしろ、原子力規制庁の実現もなく、環境省外局にもならない規制委員会のままは良いとしても、田中委員長もすっかり骨抜きにされてしまったようである。前途が思いやられる。

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