2013年10月15日火曜日

又、山に行ってしまった


冬場を除いて月一度は山歩きをすることを、我が身に許される唯一老後の贅沢としている。今年はスキーに行くチャンスが無かったので2月から山歩きを始め、先月までに既に8回以上出掛けている。しかも泊りがけの回数も多い。詳しく記録していないので分からないが、残り少ないへそくりの減り具合からすれば、既に昨年1年より費用を掛けているに違いない。今月も月末には友人と奥多摩の川苔山に行く約束をしているので、昼飯なんか極力安く上げる努力をしてきた。

しかし関東への接近が予想された台風24号が太平洋上にはずれたお陰で、連休に入ると恨めしいような快晴になった。土曜日は池袋を散歩しただけで我慢したが、日・月と快晴が続くと聞いてはどうして家に閉じこもる我慢が出来なくなってしまった。山に行きたしお金は惜しいと悩ましい心境で行く先を求めて散々と思案、結局清水の舞台から飛び降りる心境で八ヶ岳の編笠山方面に行く決心をする。土曜日の午後、山小屋に電話をしてみると、多少混んではいるが一人あたり布団一組は確保できそうとのことなので、早速予約。

夕方暗くなってからJR小淵沢までの切符を買いに行く。当然座席指定の特急券はある筈も無い。新宿発7:00のスーパーあずさ1号への自由席乗車を7500円ほどで求めて帰宅。いつも婆さんに行動食の補充を頼むのだが、今回はそれも省略して有り合せのみかんとドライフルーツにチーズ少々と一口羊羹に飴玉4個。天気が良さそうなので着替えもできるだけ少なくしてザックも軽くした。

日曜の朝早起きして新宿に発車30分前に到着すると、自由席待ちは既に長蛇の列、小生同様思い付き旅行者は沢山いるものだ。でも幸い最後に残っていた1席を確保、しめしめと内心ほくそ笑んだものの、小淵沢から登山口まではタクシーを利用するしかないのだが、これまた長蛇の列。予約している人優先で、往復30分以上は優に掛かるらしい。しかし今回は実についていて、その折衝をしている時後ろにいた母子連れ(勿論予約をしていました)の人が同乗しましょうと誘ってくれた。受付のおばさんも「内緒ですから」とは言ったものの反対は出来ぬなぁ。

暫くするとタクシーが1台来て同乗させてもらい、登山口には予定の10分遅れ程で無事到着。歩き始めると本当の秋晴れ、登山道もよく整備されて申し分のない山歩き、山頂からの見晴らしも申し分のない眺望で大満足。予約した小屋には予定より大分早く着いたが、陽だまりに大きな炬燵を入れた談話室風の予備部屋があり、ビールなんぞ飲んでいると、だんだん増えてくる登山者の山談義を聞いているだけで楽しい。全国各地からいろんな人が来ているが、茨城県から来ていた内装屋の社長さん、未だ60歳前とお見受けしたが、話が特に面白かった。

何でも1年に最低3か月は山歩きされているようで、いろんな人の話に出てくる山で知らざる山とコースは無いみたい。ヒマラヤは3度行って6000メートル峰(確かママの首飾りと言ったかな)の登頂にも成功しているそうだ。この時にはヒマラヤ遠征だけで、天気待ちやら何やらと2ヵ月も掛かったそうだ。この人に劣らず凄かったのが白髪の老人、奥さんはかなり若く見受けられる。こちらも日本の山では殆ど行ってないところが無いくらい、この編笠山は5回目とのこと。

興味深かったのは小屋の飯の良し悪し、殆どの人が朝日小屋をトップに上げていた。但し広島から来た60歳絡みのおっさん一人だけ異を唱えていたが。2番手がヒュッテ大槍で、こちらは小生も知っている。それだけに余計朝日小屋に宿泊してみたくなったが、こちらから見ると白馬の更に奥で、どのルートを聞いてもアクセスが容易ではなさそうだ。従って残念だが小生にはもう行く機会が無さそうだ。兎に角この小屋は面白い、先ず小屋主が有名な登山家で、先月NHKの「日本百名山」に出演している。今回ここに来た最大の原因はこの番組を観たことにある。

小屋の名称は「八ヶ岳青年小屋」とされているが、入り口に提灯が掛かっていて「遠い飲み屋」と書いてある。ボトルキープまであるくらいで、茨城から来た小父さんは小屋主と11時まで飲んだそうだし、広島から来たおっさんは食事が終わる頃には冷酒四合+焼酎のお湯割り一合は飲み干していた。夜中九時過ぎても暗くならないのも珍しい。他にも面白い話はあるが省略。

翌日の権現岳も快晴の下快適な登山。下山途中で赤の他人様から行動食を恵んで頂いたり、道を教えて頂いたりして随分助けられた。そのため、帰りにタクシーの心配はしないで済んだが、車が行き交う舗装道路を約一時間近く歩く羽目になり、すっかりくたびれた意味もある。これも他人から教わったのだが小淵沢からの帰路、座席の確保を心配しないで済ますのは普通列車に限るとのこと。

これも非常に有意義なことだ。余り早く帰っても婆さんは喜んでくれないだろう。小淵沢で自由席特急券を200円手数料を払って払い戻し、12:35発の始発普通列車でのんびりと帰宅した。それでもまだ4:30、標高差1700メートル近くを歩いて下ったので、今年初めての疲れだった。今日も筋肉痛が残っている。食事を済ましても未だ7時前、それでも寝てしまったので昨夜は11時間寝たことになる。

山の詳細はこちらもご参照願います。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-357751.html

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