2013年10月12日土曜日

池袋の秋祭り

我が地元の池袋は何故か知らぬが「ふくろ祭り」と称する秋祭りが2回ある。1回目は既に終わっているのだが9月28日・29日の二日間。氏神様は御岳神社で氏子は西池袋一帯に拡がっている。29日の夕方は大きな神輿が10数基が、池袋駅西口前広場に特設された桟敷に区長以下のお歴々が陣取る前に勢揃いして気勢を上げた。氏神様に感謝するのか願うのか、あるいはそんなこと関係なしに酔っぱらって騒ぐのが楽しい連中もいることだろう。

しかし少なくとも桟敷に陣取るお歴々や、神輿の廻りで先陣を切ったり辺りを警戒するかのように周りを取り囲む年寄り連中は、揃って白足袋に浴衣姿で、全国どこでも見受けられる秋祭りの光景である。普通に考えれば今年は雨に降られず良かったな、で締めくくればいいものを、2週間後に第2部(これも土日の2日間)があるのが特徴である。そのために駅前の桟敷席は解体されていない。

今日から明日への2日間は趣ががらりと変わり、よさこい踊りコンテストが中心になっている。よさこい踊りとは発祥が当然高知県土佐のものと思うが、どんな経緯あったか知らぬがもうかれこれ20年以上前に北海道の札幌で、これをパクッタ大イベントが行われ、以降全国的なブームになっている。我が池袋にも、札幌で仕掛けた人と同じようなイベントプロデューサーがいらしたのだろう。札幌に遅れること8年目の2000年から「東京よさこい」と称してふくろ祭りに合わせて行っている。

今日もプール帰りの通り道なので、お昼に少し見物してきた。プールでいつも会話するご同輩曰く「俺ももう少し若ければあの踊りの輪に加わりたい。年を取ってからの趣味はやはり参加型でないといけません。」とのことだ。単に「そうですか。」と聞き流した。小学生の頃盆踊りの輪に入った記憶はあるが、協調性の薄い性格なんだろう、どうも大勢の人と練習したりすることの意義がイマイチよく分からない。むしろ山にでも行って気ままに歩くのが性に合っているようだ。

でも実際に見てみると、先ほどの会話に合点がいった。大勢に参加者の中には立って歩くのも容易ではないのでは、と心配したくなるような方も確かに見受けられる。そしてそんな方も一旦踊り始めると何かに憑かれたかのように嬉々として踊りまくっている。参加者の性別や年齢は実に様々、あるチームの踊りが始まる前の口上を聞いていたら「我がチームは15歳から40歳代のメンバーで構成されています。」と高らかに宣言していたが、どう見ても50歳台60歳代の男女が数名はいた。

老若男女揃いの派手やかな衣装を羽織り、顔に濃い化粧をして大声を上げながら活発に踊り狂う様は皆恐ろしいほど綺麗だ。一寸観のつもりが1時間近くも見入ってしまった。パクリにせよ何にせよ、見ている人間も心が浮き立つのだから結構なことだ。今年の参加チーム全国から110チーム以上とあり、チーム編成も数十人単位から100人を超すところまであるらしい。若い人も普段は悩みが多い筈だが、踊り狂っていれば他のことは何も考えないのだろう。皆顔が輝いていた。

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