2013年9月16日月曜日

勝ち目のない戦の中で

都心では大騒ぎの割にで、今日の台風は都心を避けてくれたみたいだ。昨日の朝プールに出かけた時の方が風雨とも格段に酷かった。早朝からの騒ぎのお陰で午前中は何処にも出かけず、久しぶりに朝酒こそしなかったが朝寝をゆっくりすることが出来た。誠に結構な敬老の日だ。

朝寝をしながらテレビを見ていると、むしろ京都の嵐山辺りは事前の警報はどうであったか気になってしまう。現在進行中だろうが、東北に進んでいる台風の勢力は衰えてきたのだろうか。強風に豪雨を伴って福一サイトを襲うとどんなことになるのか。どうもテレビは肝心なところを態と外して報道している気がしてならぬ。風が無くてもクレーンが引っくり返る事故はしょっちゅうあるし、昨夜来の雨でどこかの水が溢れたのでタンクに移し替えているとのニュースも耳に入ってくる。場当たりを絵に描いたような話だ。

「汚染水タンクに蓋が無いなんてことはないだろうな。」と言ったら婆さんが笑いながら「聞かない方が良いんじゃないの。」と答えた。そんな馬鹿なことはあり得ないだろうが、ここ数日福島で震度4の地震が頻発しているのも気になってしまう。兎に角自然の驚異は厄介なもので、これから先何年も何十年も、福一サイトでは自然災害からの被害を少なくする努力を強いられることになるのだろう。

思えばご苦労な話だ。問題は誰がその役を担うかであるが、現場に於いては現在頑張っている人たちの他に引き継ぐ人間が出てくる筈も無い。問題はその人たちの生活を保障する経営者たちである。この人たちは東京霞が関付近の東電本社や経産省にいるのだろう。テレビでたまに見る限りだが、東電の社長や役員クラスは明らかに戦意を喪失している。勝手に忖度すれば「早いとこ会社を潰してくれ」ではなかろうか?彼らにしてみれば勝ち目のない戦であることは先刻百も承知だろう。

一旦終戦となってこれまでの東電方式(官僚システムによる情報操作)がチャラになり、東電の持てる情報が全て公開されたらどうなるだろうか。先頭に立って旗を振る人間にもよるだろうが(個人的には非現実的だが馬淵澄夫氏が良いと思っている)、現場に立つ人間の動きが明らかに変わると思う。

未だに現政権でも東電を潰す根性は無いようだが、思えば民主党政権の罪は重い。日本航空を破綻処理しながら、東電を潰せなかったこと。ここにはどんな闇があったのだろう。政府が前面に出ると言っても東電が企業として存続する限り、指揮命令系統が複雑化するだけで、終戦間際の日本軍と同じことになるだけのことだろう。現場の人たちは線量の累積が一定になると戦線離脱を余儀なくされる。戦争に例えれば兵力の消耗そのものではないか。資源の逐次投入も旧日本軍の思想そのままで、本当に懲りない面々だ。

現場で指揮を執る人の心中を察すると、勝ち目のない戦いを強いられた母校の先輩硫黄島の栗林中将を思い出してしまう。

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