2013年8月31日土曜日

西洋かぶれはしたくないが・・・

シリアの内戦は「アサド政権/反政府市民派」と二項対立で捉えることが出来るような単純な図式でないことは、一寸ネットで調べるだけでもすぐ分かるし、今朝のTBSテレビ「みのもんたのサタズバ」に出演した中東問題の専門家も指摘していた。アサド政権の役人や軍人が相当腐敗しているのも事実らしいが、反政府組織なるものが複数あって、反政府組織同士の戦争も激しいらしい。これらの組織にはそれぞれ外国の支援があり、武器も人員も相当数国外から流入しているとのことだ。

要するに戦いの構図自体があまりに複雑すぎて、俄かに理解するなんてことは土台無理なことだろう。それなのに何をトチ狂ったのか、我が国の総理は海外に居たにも拘らず『シリア情勢の悪化の責任は、暴力に訴え、無辜(むこ)の人命を奪い、人道状況の悪化を顧みないアサド政権にある。アサド政権は退陣すべきだ。』といち早く述べてしまった。流石に昨日発表された英国の攻撃離脱の動き等からも、少し拙いと思い始めたのだろう。官房長官が「攻撃があった場合、日本政府の態度については慎重に検討」と言い直している。

国連調査団が入るくらいだから、最近の戦闘で何回かは化学兵器らしきものが使用されたのは間違いなさそうではある。これも当初の報道では数千人の被害者で数百人死亡とされ、サリンでも撒かれたかと思ってしまった。しかし、これも映像を見た専門家(むしろサリン事件の経験者)によれば、サリンであればとてもあんなこと(身体の痙攣に水をかけている絵柄)では済まないものらしい。アメリカとフランスがどのような攻撃に出て、どのような結果を生ずるかは神のみぞ知るだろうが、また新たな戦争が一つ増えることだけは確かである。

ロシアや中国にも小生如き者には窺い知れぬ思惑もあろうし、アメリカの思惑もきれいごとでは済まない何かがあるのだろう。戦争を惹起する者は常に『正義』の旗を高々と掲げるそうだ。いくら『正義』であろうと日本が巻き込まれるのはまっぴら御免である。それにしても、英国議会が夏休み中に臨時招集され、一部与党議員までが首相の意に反する意思表示があった結果を受け、首相が翻意した。このシステムには見倣うべきことが多々ありそうだ。

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