2013年6月25日火曜日

富士山

3日前に富士山がユネスコ世界文化遺産として登録されることが決まったそうだ。ユネスコ世界遺産なるものに関心があまりないので知らないが、自然遺産としてなら少し理解できるが、文化遺産と聞くと「何故文化、どうして?」と疑問が湧いてくる。いくら日本が特殊な国であっても富士山をして文化遺産は無いだろう。登録されるとどんなご利益や義務が生ずるか分からないが、余り碌なことにはならないのでは心配だ。

ウィキペディアによると、文化遺産たるゆえんは「信仰の対象と芸術の源泉」となっている。そう言われりゃそうかもしれない。毎年1度は浅間神社への年参りとして登る友人もいる。昔から多くの詩歌や絵画の主題になっているのも事実だろう。でもね、信仰の山とはチベットのカイラスや、雲南省の梅里雪山のように人間を寄せ付けない山でないとピンとこない。

そこにいくと富士山は少し俗っぽ過ぎはしないか。良いとか悪いとかの問題ではなく事実を指摘しておきたいだけだけど。日本一高い山だから、多くの登山家の憧れであるのも現実で、彼等の大部分は特別の信仰心を持たずに登っているだろう。小生も一度だけ登ったことがある。山頂で日の出を拝んで、何とも言えない清々しい気分になったのも事実だ。でもこの気分は浅間講の人は別だろうが、大部分の登山者には他の山でご来光を拝んでも同様ではなかろうか。

山歩き愛好家の一人として言わせてもらえば、登山者の数が多いからと言っても、富士山は日本の最高峰である。登山歴の少ない人が余り軽々しく登れる山でないことを認識してほしい。先日の報道によると、世界遺産登録決定の翌日には既に山頂まで登山者が列をなしたようだ。実態がよく分からないが、山開きは例年7月1日と聞いている。今年に限って早く山を開くとは思えない。

開山前と言うことは、登山口から上の小屋はまだ開いていないのではないか?それを承知で登るのだから、皆相当の経験者ではあるのだろう。しかし経験者であっても出物腫物の処理はどうするのだろう?どんなに健脚で、一番高い5合目からの登山でも、山頂を往復する間に1度も用を足さずに済む筈がないと思う。エベレストの登山者が増えすぎてゴミ問題が深刻と伝え聞く。世界遺産登録を目指し関係者が一所懸命の努力して、やっと浄化に努めた神聖なお山だ。

心無い人によって再び汚されないことを願ってやまない。

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