2013年6月21日金曜日

何処を見ているのか

都議選の終盤だからだろうが、選挙カーの騒音だけが終日聞こえてくる。誰がこれをまともに聴くのだろうか?喋っている方も誰かに聞いてもらえる、そして投票に繋がるとマジで思っているのだろうか?投票率がどの程度になるか分からないが、投票に行く人は公示前から投票者を決めている人が殆どで、この騒音を耳にして投票を思い立つ人がいるとはとても思えない。都議選が終わるとすぐに参議院選に入る。共に投票先は決めているので、選挙戦の騒音は迷惑以外の何ものでもない。

内閣支持率も高く、二つの選挙で自民党圧勝と予想されている。総理大臣は外国を飛び回り、諸国から日本の経済運営について高い評価を受けていると自画自賛しきりである。マスコミも歩調を合わせるかのように、総理のコメントで頻繁に使われる将来の明るさや、現状に於いても景気が良くなりつつあるようなトピックスを好んで拾っている。景気は気からの喩えもあるせいか、好んで景気の悪い話を取り上げる必要も無かろうが、2年先や10年先に景気を良くします、てなことをまともに受け止める人が本当に居るのだろうか?

世間一般を自分だけの感覚でとらえるのは間違っているかもしれない。それを承知で言えば、3本の矢と聞いただけで明るい気持ちになって、一寸贅沢しようと本気になるお目出度い人間がそんなにいる訳はないだろう。今ほどに政治に対して白けた気分になったのは久し振りのことである。総理が何を勘違いしているか知らないが、国会開催中にも拘らず世界中を飛び回っている。何と言っても衆議院で圧倒的な多数を持っているのだから、内政で心配することは何もないのか。外遊していた方がテレビ取材で取り上げられるチャンスが増え、アッピール度が高いと判断しているのか。

テレポリティクスを今更批判しても始まらないが、メディアも注意してもらいたいものだ。総理が外国で喋ったことを大々的に取り上げるのは仕方がないとしよう。問題はその後のフォローである。新聞社もテレビ局も世界中に自前の記者を駐在させるのが今は常識。たまには彼らをして、総理が去った後に日本との関係がどのように変化しているのかをリポートしてもらいたい。ロシアとの関係、中東諸国との関係、インドやインドネシア諸国との関係、訪問国ではないがアフリカ諸国との関係等々、まるで劇的な変化が生ずるが如き報道のその後はどうなっているのか?マスコミが批判的にならなければ政権支持率は動きようがないだろう。

そりゃ手のひらを返すようにはいかないにしても、あれだけ大風呂敷を広げて来れば何か変化があっても罰は当たるまい。オバマ大統領には相手にもしてもらえず、安保絡みでは米軍のやりたい放題を許し、中国には強気一辺倒の姿勢を取りながら特使を極秘に送り込んで会談を申し入れたりして見苦しい限りだ。前政権であれば簡単に首が飛んだであろう発言も、何が怖いか知らぬがマスコミは追及不足だ。マスコミが政権の茶坊主になったのでは世も末である。

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