2013年1月22日火曜日

芝居じみた内閣と芸能報道同様のマスメディア

安倍新内閣を支持する人が60%もいるので批判的な事を書くのはなるべく控えたいと思っている。しかし今朝の報道を聞くに及んで書く決心をした。ブログはどんな人が読んで下さるか分からない。非常識なところがあるのを承知しているので、常識から多少脱線しても「また馬鹿な事を書いている」程度のところでお許し願えるよう、少しは気を使っているつもりだ。今日の内容も、マスコミ論調とはかなり違うので、不愉快になる方がいるかもしれない。予めお詫びしておきます。

アルジェリアで起きた事件の生き残りの人と亡くなられた方の亡骸を引き取るために、政府専用機を飛ばすことが決まったとのこと。アルジェリアで日揮の社員がゲリラの人質になった事件が発生したのが日本時間で16日午後のこと、日本には17日の早朝(深夜)に最初の報道がもたらされた。当時安倍総理は東南アジア諸国を訪問中で、2番目の訪問国タイでこの情報に接した筈。その時の第一声が、人命尊重を最優先するようアルジェリア政府にも要請するみたいことであったと記憶する。即ち人質の命に係わるので、アルジェリア政府に攻撃を早まるなとも言ったのではなかったか。

当時は、彼国の政府にどの程度の貸があるか知らないが、自国の都合だけで随分思い切った内政干渉じみたことを言うものだと半ば感心して聞いていた。留守を預かる官房長官以下の閣僚連中も、17日から何とか本部を沢山起ち上げ、総理の指示する線に沿ってあらゆる手段を講じてきたが、4日間何もできず、ただマスコミだけは、「情報が錯そうしている」とだけ言い続けてきた。この間、同時に人質を取られた諸外国トップの対応があまりに違うので恥ずかしくなったのだろう。次の訪問国インドネシアの訪問を少しだけショートカット(訪問国を中国包囲網に引き込みたい意思だけが見え見えの声明だけは発表して)して格好をつけて見せた。

何でマスメディアがご丁寧にこの芝居に付き合うのか分からない。一説にはアルジェリアに直接潜入取材できる能力を持つメディアは1社も無いかららしい。ヨーロッパのメディアとかアラブ系のアルジャジーラの報道を翻訳するしか能が無いのだろう。アルジェリア政府も軍事行動だから、各国大使館にいちいち状況報告する義務は感じていないのだろう。当然情報に敏感な国の大使館は独自のネットを持っているだろうから、当該国政府に頼るまでもなく情報活動はした筈だ。

日本の大使館に同じことを期待する方が無理なことも分かる。何人スタッフがいるか知れないが、彼等とて昼夜兼行精一杯の情報活動をして本省に上げていたに違いない。危機管理能力に於いては当事者の日揮が一番であることも当然だ。内閣も責任者一人を決めて、その下に官僚ルートと日揮ルートに一人ずつサブを配しておけば足りる筈で、双方のルートから確定的情報が入らないなら記者会見なんか意味なく開く必要もあるまい。この6日間ほとんど毎日のようにトップに意味のないニュースが垂れ流されたことを国民はどう思うのだろう?

総理の言うことが、人命尊重からテロに屈しないに戻ったりするのはお笑いの範囲で許せる。ただ最後に来て政府専用機を出すと聞くと、これは許せない。「断固非難します」(笑)。邦人が外国で危機にさらされ、救出のための手段が他に無い場合に政府専用機なら分かる。自己責任で進出している1企業の為に、「僕の権限だからただ乗りさせてあげますよ」というのは権力の乱用に過ぎるではないか。この際、自衛隊法改正と関連付けてとかなんとか、小難しい理屈や批判は言わないにしてもだ。

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