2012年12月24日月曜日

足るを知る

来週発足する自公政権の経済政策が非常に危なっかしいものであることは多くの人が指摘している。新しい与党内には多数の人材がいるのだから、中にはブレーキを踏む人も居るはずだが、組閣早々に10兆円規模の補正予算を組むことは間違いなさそうだ。口先ではばら撒きはしないと言いながらも、実際に予算を編成するのは官僚そのもの。実態的には彼らに予算を大盤振る舞いするのだから、一種のばら撒きとしか言いようがない。

受けて立つ官僚は待ってましたとばかりに己の田に水を引くことだけ考えることになる。この結果思わぬところで商売にありつく企業が出るのは当たり前。それをもって景気が良くなったとするならこんな楽な経済対策は他にない、誰にでもできることだろう。これはテレビインタビューに答えた市井の一老人の言葉である。只でさえ年間百兆円に膨れ上がっている政府予算を何の必要があってさらに膨張させねばならぬか。

入ってくる税の見込みがないまま徒に借金を増やす、現在の予算でも既に20兆円を超す費用が借金の利払いに充てられている事くらい小生でも知っている。借金を重ねるのは馬鹿な極道息子と相場が決まっていたが、これからは富山県警の警部補でもあるまいに、親父が借金をしまくると家族に向かって宣言しているようなものだ。とどのつまりに殺人を犯して自殺を図るなんて事態にならぬようご注意申し上げたい。

以前も少し書いたが、昭和20年第30年代と多くのご同輩同様貧乏な生活を体験しているせいか、年金暮らしになって諸事倹約するようになった現在でも、自分の生活に対する不満は全くない。現役時代に可能だったことも手元不如意になったら、しないで済むだけの話。その結果今までお付き合い頂いた方々から多少疎んぜられようと、そういう年齢に達したからと諦めればいいだけだ。しないで済むとはものぐさ太郎には有り難い話でもある。

この3連休はゆっくり寝ていたので小生は見ることが出来なかったが家内が、昨日の早朝5時から始まるNHK「演芸図鑑」の対談ゲストとして出演した作家の山本一力氏が良い事を言ったとのこと。即ち、日本人は昔から「足るを知る」価値観をとても大事にしてきた筈だが、最近この価値観が非常に薄れたと言うか忘れられている。聞いて尤もなことだと思う。

我が家のことはさて置き、この日本で新たに借金を増やしてまで手当をしなければならないこととは一体なんだろう?家にあるものを大事に使うように、国でも暫くは新しいものは道路やダムに限らず、一切作らない覚悟を決めると何か不都合があるのだろうか?

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