2012年11月23日金曜日

価値観『自由』

昨日は午後出掛けてしまったので日記を書く時間が無かったが、夕方未だ現役でサラリーマンをしている人を含め4人と夕食を共にさせてもらった。このような機会は最近めっきり少なくなっているので、話が少し難しかったりしたが、新しい知識と世の中の見方が増えて楽しかった。4人とも政治的には自民党支持と言っているが、安倍総裁にはかなり批判的である。余りに物を知らな過ぎる。

甘やかされた環境で育った故だろうが、民主党の敵失で総理の座が目前に見えてきたので、有頂天に舞い上がっているのがありありだそうだ。党首討論におけるうろたえ方を見ても精神的に弱いことが明白で、あれでは総理は勤まるまい。おそらく5年前と同じように何処かで躓いて体調に変調が来るのではないかと医者の様な見立てをした人がいた。

自民党支持の人でさえ、今週打ち出された政権公約は首をかしげざるを得ないところがあるらしい。小生からすれば、戦争を知らない世代故にそうなるのかと思うが、あの勇ましさには辟易してしまう。同じ年の人も同席していたが、彼は昭和20年8月15日の玉音放送については殆ど記憶が無いと言っていた。小生はあの日の記憶が極めて鮮明である。

座敷の床の間にラジオが置かれ、その前に祖母、母、叔母が正座して泣いている。父は遥か南洋に出征中である。多分これで2度と会うことができないと思ったのではなかろうか。祖母が「お前は子供だから奴隷にならずに済むだろう。」と言ってくれた等。戦後生まれの人も2人いたので、私の印象を素直に聞いてくれた。そこから現代の若者論に話が移っていったが、やはり世代間ギャップについて幹部の皆さんは苦労されているらしい。

聞いていて我々の世代と大分違うなと思ったことがある。中小企業だったせいもあるが、我が現役時代は出世にスピード感があり、30歳頃にはすっかり幹部気分だったし、その尻尾に一寸年下の若い子が男女とも連なっていた。同席されたのが大企業の幹部のせいもあるのだろうか、先ず会社に若い社員特に女性なんかいないそうだ。派遣制度の話で盛り上がり、企業にとっても若い派遣社員にとっても不幸だろうが、正社員になりたくない若い人の真理もあるらしい。

我が母校の福沢先生は「自由」を人間にとって最高の価値と力説強調されたが、現代子の「自由」に関する解釈は少し異なるのかもしれない。現役を外れてそんなに日が経つわけでもないのに、すっかり現実の社会が分からなくなっていることを実感しながら他の4人の会話を懸命に聞いていた。こちらから見れば若いが、何れにせよ間もなくリタイアの時期を迎えるであろう小父さんに先輩々々と煽てられ久しぶりに心地よく少し飲み過ぎた感もある。

2 件のコメント:

Don Koba さんのコメント...

今の若者は、温室栽培されている点では、江戸時代の「鎖国」状態の中に置かれた庶民と同じとも言える。心地よい日本国内にいて、冒険もしないで、「お宅」世界を楽しむことができる。海外で働くのは、「ごめんこうむる」と言っていられる段階にある。出稼ぎに出ないと食いつなげないという状況にはまだ、間がありそうだから、多少のんきなことを言っていられる。それだけ、国内が豊という証拠だろう。いつまで続けられるのか。山本七平が「一下級将校の見た帝国陸軍」で、まさか自分が兵隊に駆り出されることは夢にも思わなかったとか。今の日本は、ゆでガエルが死ぬまでぬるま湯につかっている光景とどこか似ている。誰も根本的な対策を描けず、ずるずる太平洋戦争に突入したいった状況と余りにも似ているようだ。

senkawa爺 さんのコメント...

Don Kobaさん
引き続きのコメントありがとうございます。
私もご案内のように外国事情にはとんと疎いのですが、日本が世界的に見て稀に見る平和で豊かな国であろうことは容易に想像出来ます。この空気の中で育った青年がどうしても内向きになってしまうのは半ば必然でしょう。
家や国が多少貧乏になっても世界に羽ばたく目線を涵養することが必要だと思います。
企業なんかでも海外駐在が出世の妨げもよく聞きます。政治家で国際政治をまとも論ずることができそうな人も思い浮かびません。具体論はありませんが、その目線を持っているのはスポーツ選手だけでは困りますね。