2012年9月26日水曜日

「国難」

先日の民主党代表選挙を「まるで葬儀委員長を選ぶような」とテレビで表現した人がいた。選挙は結果を見て知っているだけで、開場の雰囲気は知らないが、結果から見て実にうまい表現だったと思う。逆に今日行われた自民党の総裁選挙は、後半の決選投票から実況中継で見てしまった。全国に何万人の党員がいるか知らないが、そんなにびっくりするような数ではあるまい。

数だけで言えば共産党員や公明党員の方が多くても不思議はない。念のため調べると、3年前のデータしかないが自民党員が100万人強、共産・公明が約40万人、民主党が30万人弱だった。痩せて枯れても組織力では自民党が圧倒している。今回の総裁選で有力候補だった石破氏がテレビ朝日の「やじ馬テレビ」に先週出演した際、女性弁護士のコメンテーターに「ところで自民党の目玉政策は何ですか?」と問われて「それが問題なんです。」
と言葉を濁したらしい。

政策的な内容が有ろうとなかろうと、又どのように揶揄されようと、民主党代表選と比較してこちらは華やかである。安倍新総裁の挨拶を聞いていると、神輿の宮出しを思わせるような勢いがある。裏でAKB48のプロデューサー秋元 康が演出振付けをしているかのようだ。日本が民主党と言うとんでもない集団に取り込まれるている。これが正に国難である。そこで日本を民主党の手から自民党に取り戻し、日本を救うのだそうだ。

極楽トンボ故に祖国が「国難」に直面している認識はとんと無い(強いて挙げれば311の震災被害と福島原発事故か)が、お祭りは派手な方が善いだろう。殆ど意味不明な「国難」を奉じてこれだけ野党の存在をアッピールした演出力には敬意を表する。マジな話、我が目で民主党と自民党を比較してみると、似たような「国難」が並んでいるようにしか見えない。次期総選挙の結果を見てからのことになるのだろうが、「救国」の結果がどのように表れてくるのか。

政策の違いを知らずして云々できないが、過度の期待はしてはいけないだろう。

2 件のコメント:

Don Koba さんのコメント...

辛うじて2回目の国連演説をやれたので、海外でも日本の首相の顔を覚えてもらえるかも知れない。国難と騒いでいるのも滑稽極まりないが、どこかが狂ってるようだ。党首選びで政策論争があったようにも思えない。どうせまたすぐに変わるので、国民もAKBのショーを見ているような気分。誰もこの問題の多いシステムを変えることもできないでいる。元寇で神風が吹いたように台風で、台湾や中国の漁船が吹き飛ぶのを期待しよう。

senkawa爺 さんのコメント...

Don Kobaさん
いつもありがとうございます。
本当に我が国の政治は出来の悪いショーです。
今度の選挙がいつか分かりませんが、安倍首相が実現する可能性が高いようです。官房長官以外の閣僚経験が全くない総理に、政策を期待出来る筈もありません。硬直化した官僚機構のもとで延々と非効率な行政が続くしかないのでしょうか。
憂鬱です。