2012年5月2日水曜日

映画感想「スーパーチューズデイ」

ネット上で元外務官僚の孫先享が推薦していたので上映館をネットで探した。アメリカでの公開が昨年10月、日本は3月31日となっているが5月1日現在都内での上映館はたった2館だけ。そのうちの一つが丸の内のピカデリーだったが、それも18時55分からの1回だけ。夕食を一人で外食は気が進まなかったが、我慢して有楽町でとんかつを食べてから観に行った。

この作品を制作・監督・主演をしているジョージ・クルーニーは勿論以前から知ってはいた。少し話が逸れるが、彼が最近政治的なアクションをして(3月16日ワシントンのスーダン大使館前で抗議活動中、議員、人権活動家、宗教指導者らとともに逮捕された。)逮捕されたことを含めての事。日本で反原発運動に関わった俳優山本太郎氏への社会的評との間に大きな違いがある。アメリカではジョージ・クルーニーが芸能界から干されるなんて事があろう筈もない。

アメリカの日本に対する政治的関わりは好きになれないところが多々あるが、アメリカ人が個人意思を尊重する点は見倣う必要があるだろう。理由も問わずただ警察に逮捕されただけで、芸能界から追放するなんて正気の沙汰ではないように思う。我が国は司法を絶対視するあまりか、逮捕と聞いただけで、メディアが騒ぎ関係者がビビってしまう。山本氏を英雄視する必要はないだろうが、困ったものだ。

本題に戻ってこの映画、今年は丁度大統領選の年で、野党共和党の候補者選びが終盤に入ってきていることもあり、非常に面白かった。アメリカ映画の邦題は感心しないものが多いが、大統領候補予備選の要の日を意味する「スーパーチューズデイ」は極めて分かりやすい。内容の詳細を書けないが、野党(民主党との設定)有力候補とその選挙スタッフが演じる虚々実々の駆け引き。いや、駆け引きは勿論描かれるが、勝ち抜くためには兎に角何でもアリの選挙戦の裏側を抉っている。

アメリカが高く掲げる民主主義がどのように形成されていくか、日本の選挙と根本に於いてはそう変わらないと思っていいのかどうか。政治家の表の顔を作り上げるスタッフチーム、これを観て羨ましいと思わず、俺と同じだと思える政治家はいるだろうか?いるとすれば小沢一郎ぐらいではないかな。
政治家の表の顔がスタッフの協力で作り上げられていくのは日本も同じだろう。

そして政治家個人にもスタッフ一人一人にもそれぞれの人生と価値観が存在する。これも同じだろうが、日本とアメリカでは道徳とか公徳心、宗教観などの社会的背景は、冒頭にに記したようなことを含め大きな差がある。この映画は「裏切り」が大きなテーマになっている。日本の民主党マニフェストは国民に対する大きな裏切りとの声もあるが、これでは映画はできない。労働問題、医療問題など彼我の違いを随所に教えてもらった。

6 件のコメント:

しあわせさがし さんのコメント...

前から観たいと思っている映画です。
大阪はいつから封切られるのか
まだ調べていませんが、爺さんのブログを拝見して
ますます関心が深くなりました。

senkawa爺 さんのコメント...

しあわせさがしさん
お早うございます。あいにくの雨ですね。
ぜひご覧になってください。期待は裏切られません筈です。

*シネ・リーブル梅田で上映しているようですが、東京と同様1日1上映ですから時間を合わせる必要がありそうです。

kiona さんのコメント...

いい意味でアメリカくさい映画でしょうね。自分もくだらない作品ばかり観ずに、asap しっかりとクルーニーの気骨に触れたいと思います。ゴズリングも売れてますね。

senkawa爺 さんのコメント...

kionaさん
こんにちわ。
クルーニーおじさんを見直しました。
娯楽作品としてよくできているのは勿論ですが、アメリカの社会問題と政治の実態を上手に描き出しています。配給館が少ないようですが、宣伝ひとつでもっと興行的にも成功するのではと思ったりもしました。
日本の俳優では中村敦夫なんて人もいましたが、今どうしているのでしょうか?

ゴズリングて何かのタイトルですか?

kiona さんのコメント...

ゴズリングとはライアン・ゴズリング、主役の役者です。
http://www.google.com/search?num=50&hl=ja&safe=off&q=ライアン・ゴズリング+site:cinerun.blogspot.com&btnG=検索

senkawa爺 さんのコメント...

kionaさん
ありがとうございます。
勿論彼もすごく良かったですよ。
原作が素晴らしいのでしょうが、脚本が良いですね。クルーニーおじさんて大した人です。