2012年4月29日日曜日

反省は無理か

少し前までは記者上がりの評論家の意見を比較的素直に聞いたものだ。最近は婆さんの影響があって、スポーツ関係のテレビ番組をよく見る関係から、解説は専門家のものでないといけないと思うようになった。野球やサッカーの実況を見てこなかったので、スポーツ観戦が好きな方からすれば、「今頃何言っているの」てなものだろうが、嘗て一流のプレーヤーだったり監督であった人の解説は、着眼点や分析の鋭さにいつも感心してしまう。

逆に言えば、新聞記者の解説は尤もらしいが、飽く迄素人のそれであって、悪く言えば情緒的に流されている事が多いのに気が付いた。考えてみれば当たり前の話で、記者は他人の意見を取材する専門家だ。確かに取材にあたってはそれなりの勉強はするだろうが、専門的な知識はどうしても付け焼刃にならざるを得ないのはやむをえまい。それと、ぶら下がり会見に群がる若い記者諸君を見ていると、彼らの成れの果てが編集委員であり論説委員である事に気が付いた。

従ってメディアが26日の小沢裁判の判決を受け、判決が出て晴れ々々した気分だなんて記事を書く筈がないことは仕方がない。本当は疑いが大いにあるのに、証拠を掴めなかったから渋々無罪にしてしまった。読者視聴者にこのような印象を与えるのはいけないかもしれないが、最初からその程度のものだと思えば腹も立たない。「その程度のもの」と言えば昨日の日本テレビ系列「辛坊治郎のウェークアップ!」に出演した松木謙公(菅直人氏の不信任に賛成投票して、民主党を追い出された議員)が同じことを言っている。

一緒に出演していた民主党の生方幸夫が小沢氏の処遇について前原氏と同じような意見を開陳したのだが、「判決を受けて小沢氏寄りの議員は喜ぶし、反対の人はそれでも説明責任は残るとか言うでしょう。同じ党の仲間でさえこうなんですから。政治家なんてその程度のものですよ。」と吐き捨てるように言っていたのが印象的だ。政治家もメディアも勉強不足と言うことでは似たようなものらしい。読者視聴者であるこちらは、それを前提として読んだり見たりすればいいだけだ。と思い始めている。

スポーツ解説ではないが、専門家の見方の一つを検証してみた。時間は40分くらいだが余裕のある方にはお勧めしたい。郷原信郎氏の解説で、これも一つの見方で好き嫌いはあるだろうが、少なくとも専門家であることは間違いない。インタビューアの情緒的発言には簡単に乗らないが、マスメディアが昨日一斉に検察も反省すべきと書き始めたことについては、さすがに激しく憤っておられたのが印象的だ。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/13297

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