2012年1月15日日曜日

金は天下の廻りもの

1940年生まれは30年代の生まれと言うことになるのだろうか。30年代40年代の年寄りは元気な人が多いらしい。その通りだと思う。更にこの年代以上の方は、年金も掛け金の数倍受給しているので比較的蓄え等も有り、そこそこお金持ちらしい。1940年生まれだからその末席に繋がる訳だが、年金を貰いはじめて既に12年目に入る。確かに既に貰った年金だけで、それ以前38年間払い続けた年金保険料はオーバーしているかもしれない。

1か月おきに振り込まれる年金額を見ては、頼りない額だと思うのも事実であるが、どうもそんな贅沢を言っている場合ではなさそうだ。このまま行くと我が婿さんたちは払い込んだ保険料の元を取る事すら覚束なくなりかねない。流石にそれではあんまりなので、現政権も年金を含む社会保障制度の見直しに本格的に取り組む腹を決めたようだ。勿論わが預金通帳の頼りない数字も更に削られていくだろう。消費税も小生が生きているうちに上がる可能性がはっきりしてきた。

これらの事は共産党政権になっても、我が国の人口構成が急に変わる訳はないから一緒の事だろう。その事はいいのだが、問題はその程度ではとても済みそうにない事にある。「デフレの正体」著者藻谷浩介氏が言うには、団塊の世代以上が溜め込んでいる貯蓄を吐き出させて、これを若い層に回さないと金が死んでしまう。金と言うものは溜め込んでおくだけでは役に立たないのみならず、やがて腐って死んでしまうものらしい。

90歳で亡くなった親の遺産を60歳の子が受け継いで、また後生大事に溜め込んだのでは日本は疲弊するばかり。金は天下を廻っていないと価値が無いらしい。廻す方法は一見難しそうだが、著者はいろいろアイディアを書いている。貯金している金に対して、何らかのインセンティブを以てして、どんどん次世代に生前贈与を促進せよとも言っている。確かに年を取ってから遺産を相続しても使い道が無くて又貯金になりかねない。子育てに忙しい時にこそ、金を渡せば使いではあるだろう。

もう一つ同感と思ったことがある。企業経営者はこれから始まる団塊の世代大量退職で浮いた人件費を、思い切って若い人の給料に上直せしていくようにすべき。個人が貯蓄に走る前に金を回せ、と同じ理屈で、チマチマと目先の利益ばかりにこだわるな。小生は図らずも2年前に経営実務をヤングマンに譲り、4:1だった給与体系を逆転させ1:4にした。個人的には生前贈与に値する貯金が無いので、残念ながら行動を起こせない。しかし企業経営者としては「年寄りの責務を果たしているなぁ。」と自画自賛だ。

2 件のコメント:

かをる さんのコメント...

おはようございます。

香川県は、貯蓄高が全国一位
腐りつつのお金がいっぱいということでしょうか?
でも、どこに?

senkawa爺 さんのコメント...

かをるさん
コメントをありがとうございます。
香川県が貯蓄率一番とは知りませんでした。
きっと密かに大金を溜め込んでいらっしゃるシニアが大勢おられるのでしょう。
経済が東京に一極集中して地方に格差が拡大とよく聞きますが、東京在住者が金持ちで地方在住の方が比較的貧乏かと言うと、実態はかなり違うとも書いてありました。
言われてみると「そうかもな」と思わないでもありません。
別に僻んではいませんけれど。