2011年11月9日水曜日

自論への固執

もう数日前の事になるが、海上保安庁が長崎の沖合で中国漁船をを漁業法違反とかで拿捕との報道があった。今回は漁船に体当たりを食らったのではなくて、日本の海保が漁船に体当たりして停船させたのも皮肉な話しだ。さぞかし大騒ぎになるだろうと思っていたが、まるきりならないのは何故なんだろう?

これまた素人で全く分からない。事件の本質が全く異なるのか、まさか内閣が違うからなんて事で、中国が事を荒立てないとしたら、菅さんや仙石さんが気の毒なような気がする。新聞やテレビもその辺を説明してくれないと、肩透かしを食ったような気分で落ち着かない。政治家の皆さんは頻繁に外国に行ったり外国人と交流しているし、ビジネスマンにしても同じだろう。仕事で現代社会を生きている人は世界を視野に入れていないと何事も意思決定できないようだ。

婆さんのいう事だけ聞いていれば安穏に暮らせる爺のような訳にはいく筈もない。それは当たり前だが、それにしても世界的視野てえ奴は余りにも難しすぎて、断片的な情報を半端に受け取ると、中国漁船拿捕と同様の消化不良やフラストレーションがたまる。TPP問題はその典型だ。これだけ世界中の情報が瞬時に入手可能に思う世でありながら、まるで鎖国状態にあった幕末の攘夷論者VS開国論者の論争を聞く思いがする。

当時と同じで、しがない庶民としては、なるようにしかならないのだから知らん顔をすべきであろうが、騒ぎが伝わってきてしまうのでつい取り上げたくなる。と言っても、野次馬だから個人的な考えは何もない。江戸末期と比べて、面白いと言っては失礼なので違うなと思うのは、幕府側にも攘夷論者が多い事だ。150年前を思えば、攘夷論者が大老暗殺に留まらず内戦を仕掛けた。結果、莫大な国内の資産人材を消耗して、幕府を転覆せしめた。

政権の座に就いた攘夷論者は、あっという間に宗旨替えをして開国路線を引き継いだのは知っての通りだ。勿論、幕末の攘夷論は討幕のため便法的に使っただけ、との説があるのも知っている。黒船来航とはきっと本質的な違いはあるのだろうが、偶々小生には重なって見えてしまう。今激烈に反対をぶち上げている人たちも、世界のすう勢が赴くところに竿をさしたところで、どうともならない事は百も承知の事だろう。

単に、数日後の日米首脳会談で参加の意思を表明してはいかんと言っているだけだ。総理も総理で、反対派の言っている事も十分分かりながら、属国のお代官としては宗主国大統領様のご要請を袖に出来ない。宗主国の大統領様も1年後の自分の首が掛かっているので、大した話ではないかもしれないが、少し強めに圧力をかけている。せめて国内或いは幕府の中だけでも、もう少し建設的な話し合いが出来ないものか。

今も昔も国政を論じる人種は、好んで政敵の対立概念を構える癖がある。150年の文明の進化は、政敵の暗殺と言う下らない習慣を取り除いただけ益しと言う事か。

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