2011年10月27日木曜日

他にすることがあるだろう

昨日はTPP参加を巡り、賛成派と反対派の集会などが相次いだ事が大々的に報道されている。TPPの何たるかを全く理解できていないでに、取り上げるのもどうかと思ったが、他にさしたるネタが無いので思いついた事を書いておこう。ネット上には民主党の勉強会が動画でアップされているので、民主党内反対派の言っている事は少し知っているし、参加国からの要請窓口になっている外務省が、持てる全情報を開示しないままガス抜きを試みているのも知ってはいる。

民主党執行部は、APECの日米首脳会談前に少々無理であっても準備会合への参加を表明したいようだ。とは言っても党内の反対意見はは大きく、人数だけで言えば半数近くになるのではなかろうか。前原政調会長は反対派のことを揶揄して「TPPお化け」と言っているが、気持ちも分からないでもない。確かに、反対派の唱えるのを聞いていると、日本国の主体性が無くなりアメリカに国が乗っ取られ、日本の富がすっかりアメリカに簒奪されてしまうように聞こえる。

賛成派はこれに乗り遅れると、日本の蓄財の源泉であった輸出産業が壊滅な打撃を受け、やがて国が亡びるようなことを言う。どちらの言が正しいのか小生には判断が全くつかない。どちらも、「今そんなことをすれば、或いはしないと国が亡ぶ」としているのは一致するから面白い。そもそも亡国とはどんなことを言うのか、それが分からないので困ったことだ。明治維新では300ヶ国近くの国が滅びて日本帝国なる国が出来たらしい。

その時、国が滅ぶのをよしとせず、主張を異にする相手に戦を挑んで死んだり腹を切った侍もいただろうし、新帝国の高官になって喜んだ侍もいたろう。不思議な事に、負けた方も国主が殺されていないのが日本らしい。その他農工商更に新平民なんかはどう思ったのだろうか?寡聞にして知らないが、革命的変動の最中には悲惨な思いをする人、そうでない人が相半ばするとも思えないが、沢山いて、関係なしとする層にも結構な人数がいたのではなかろうか。

前にも書いたが、生きているうちに何かの経緯で日本国が無くなる時が来たとしよう。どういう状況になるのか分からないが、家族親族の絆、友人の絆が維持できるなら、日本が滅んでアメリカの属州になろうがロシアや中国の属州になろうと小生は構わない。だから気安く「国が亡ぶ」てな事を言ってほしくないと思っている。

第一TPPなんてどんな事か分かりもしないのに、デモをやる奴もとんでもないが、その尻馬に乗り遅れてはと「TPP反対請願賛同議員」として署名した議員が与野党併せた議員の半数を超えるに至っては噴飯ものだ。加入したら廃業間違いなしとされる大規模農業の経営者が数日前のテレビインタビューで、「いずれはだから、何とかしなければと考えています。」との答えが印象に残っている。農協も嘗てはある種の大国だったかもしれないが、生産者さえ囲い込んでいればいつまでも威張っていられるとしたものでない事に目覚めるべきだ。

何よりも不愉快なのは、反対する事が良いか悪いかは別として「与野党の垣根を越えて」の枕詞だ。蛇だかミミズだか分からないしょうもない事で垣根を越えて協力できるなら、もっと他に協力すべき事があるだろう。

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